京都、寺町三条のアーケードに、古い佇まいのお店があります。「菊一文字」と書かれた風格ある看板…店の歴史を静かに物語るよう。
後鳥羽上皇の御番鍛冶で、刀匠の元祖とも伝えられる則宗は、作刀に菊の御紋をいただき、その下に横1文字を入れたことから「菊一文字」といわれるようになったそう。その名工の名に由来して、屋号として登録商標したのが、このお店「菊一文字」です。
さて、明治になり、帯刀禁止令が発布され、京都の名工たちも、その技術を刀に活かすことができなくなりました。そこで、その優れた技術を、料理人の包丁や職人の刃物を作ることで、新たな道を拓きます。
「うわ~いろんなものが並んでる…」と、すでに店先からミモロは、ビックリ。
刃物と聞くと、包丁をまず思い浮かべますが、ここに来ると、刃物といわれるものが、こんなにいろいろな種類があるのだと、改めて驚いてしまいます。
「うちは、あらゆる刃物を扱ってるんですよ。どうぞゆっくりご覧になってくださいね」と、お店の方に…。
「ハサミって、こんなに種類があったんだ~」と、まずミモロが驚いたのは、ハサミ。
布を切る裁ちバサミだけでも、サイズ違いがいろいろ。サウスポー仕様もあります。
髪、眉毛、爪、そして鼻毛など、伸びたものを切るのに、ハサミは欠かせないもの。
「爪切りだけでも、いろんなのがあるんだ~」と、目を丸くしています。
「これなんだろ?」
小さな毛抜き…「え~毛抜きも刃物なの?」そう、薄い歯をもった毛抜きも、仲間なんです。
「ガーデニングに欲しいなぁ…」と、憧れのまなざし。
庭の木を剪定するハサミは、大きな木から、盆栽まで、あらゆるサイズの対応できるよう揃い、数の多さに圧倒されます。
もちろん包丁も種類豊富。
「持ち手が素敵…」
「のこぎり…鉈(なた)…もある…」
大工道具もいろいろ。鉋(かんな)に、鑿(のみ)
つまり、金属の歯があるものは、すべて揃っていると言えるよう。
「漢字に、『金』がある道具ね…」とミモロ。
彫刻刀も、子供が使うものから、仏師など凄腕の人たちが使うものまで…。
「うちは、職人さんの道具をいろいろ作っているんです」とお店の方。
職人さんと言っても、その作るものは、さまざま…そのニーズと信頼に、応えてきたお店です。
職人さんにとって、刃物は、仕事の生命線。伝統の技を継承している職人さんの数の減少とともに、道具を作る人も減り、必要な道具の調達がむずかしいとの声を多く聞きます。
「ここ職人さんにとっては、なくてはならないお店だね~」とミモロ。
刃物の種類の豊富さは、外国人観光客をうならせています。これほど刃物の種類が多い国は、ほかにはないかも…。細かい部分にも妥協を許さぬ日本の職人気質が、生み出したものかもしれません。
「職人さんじゃなくても、もし刃物がなかったら…なんにもできない…」とミモロ。普段、何気なく使っている生活用具の中で、刃物は、一度は手にするもの。「それに切れ味がよくないと、ストレス感じちゃう…」と。
普段使っているハサミなどの刃物、よく切れますか?
京都に来たら、ぜひ一度、足を運んでみてください…
「あ、京都じゃなくて、東京の「京都館」にも爪切りや和バサミなんか置いてあるよ…」とミモロ。
ミモロの写真展にいらしたら、実際に品をご覧いただけます。種類は、少な目ですが、一般の人が使いやすい品が並んでいます。
「アチ…」
「生け花の剣山もあるんだ…」
ミモロの興味は、尽きることがありません。
*「菊一文字」詳しい情報は、ホームページで
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