ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京の夜桜見物。祇園の「円山公園」「辰巳稲荷」、天を覆う「祇園白川」の桜

2015-04-02 | 京都

「今夜、温かいね~」と、3月31日の夜、ミモロはお友達と、夜桜見物に出かけました。
まず、訪れたのは、先日の昼にも来た「円山公園」です。ここは、京都で数少ない夜、桜を見ながら宴会ができる場所。この夜も、もちろん大勢の人たちが、桜の下にゴザを広げ、宴会を楽しんでいます。
「わ~枝垂れ桜、前より花が開いて、立派に見える…」
おぼろ月に夜桜、そしてかがり火…まるで横山大観の「夜桜」の絵を思い出させる姿です。
 
「え~でも、横山大観の『夜桜』って、確か枝垂れ桜じゃなくて、山桜じゃないの?」とミモロの鋭い指摘。
う、おぬしできるな…。指摘の通り、横山大観の夜桜は、枝垂れ桜ではありません。それは、彼が描いた当時、東京に暮らしていて、桜を描きに行ったのが、上野公園だったからです。
「そう、上野公園の桜は、枝垂れ桜じゃないもんね~」とミモロ。

また、あえて山桜を選んだとか…。艶やかなしだれ桜とは、異なり、どこか潔さと逞しさを感じさせる山桜が、大観の心に沿ったものだったようです。

祇園の夜桜は、大正時代に冨田渓仙により描かれ、大正11年に米国を巡回した日本美術院米国展示会の出展作品だったそう。日本の美意識を世界に紹介した作品は、当時、米国で高い評判を得たそう。

その後、この作品は、横山大観が譲り受け、現在、横山大観記念館所蔵になっています。
大観は、この渓仙の「祇園夜桜」の絵の影響を受けて、「夜桜」を描いたとも想像されているのです。

そばで焚かれるかがり火の煙で、ちょっと煙そうな桜です。「でも、かがり火の煙で、害虫除けになるんだってよ~」と、またミモロは、どこからか仕入れ知識を…。
 
月に桜、かがり火と、やはり絵になる景色です。桜の周りには写真を撮影しようと、大勢の人が群がって、モデルの桜も、いっそう艶やかに…。「周囲をグルリとまわって、見るのがいいんだよね~」とミモロ。

そう、枝ぶりの違いで、全く別の表情を見せてくれる桜です。

「やっぱりここの桜、特別感あるね~。なんか艶っぽい…」
二代目となる円山公園の枝垂れ桜は、まさに京都の象徴的存在。祇園という土地柄からか、他の桜より色っぽく見えます。

ライトアップされた姿は、白粉を塗った芸妓さんのように艶やかです。
「まるで舞台にたって、舞をまっているみたい…」ミモロの想像は膨らみます。

「京都の夜桜見物って、静かだね~」とミモロ。「え~東京は、にぎやかなの?」とお友達。
「うん、上野公園や隅田川沿い、愛宕山に、井の頭公園に洗足池の周りでしょ…、あ、それに青山墓地…」とミモロは、東京の花見の名所を思い出します。「え~そんなにあるんだ…でも、墓地でお花見するの?」と京都生まれのお友達。
「うん、お墓のそばに桜の木がたくさんあるから、その下で…。知らないお家のお墓に、お花見の料理やお酒置いてる人もいたよ~」と、都心の中心部に位置する共同墓地では、今を生きる人と昔を生きた人達が、いっしょに宴会するのです。
「墓地でお花見って、京都じゃありえない…」と、目をパチパチさせるお友達。
「カラオケなんかやるグループもいるよ~」「わ~信じられない…」
ホントに、京都のお花見は、花をめでるもの。東京のお花見は、花を口実にお酒を飲んだりして、春を楽しむもの。
「京都で、そんなことしたら、白い目で見られちゃうよ…」「そう、全然違うよね…」

さて、ミモロたちは、「八坂神社」をぬけて、「辰巳稲荷(辰巳大明神)」に向かいました。

「やっぱりキレイ~」と、鳥居にかかる桜は、満開。ここにも大勢の人たちが…。
その隙間をぬって、参拝するミモロです。

「あ、ここの桜にもお月様がよく似合う…」

この夜、京都の夜桜を、月も楽しむように、雲に見え隠れしながら、照っていました。

「すごい人だね~。今日が最高のお花見日和だよね~。あんまり寒くないし…」
白川沿いの石畳には、大勢の観光客。夜桜に見とれる海外からの人たちも…。


ミモロたちは、白川沿いに歩いて、鴨川へ抜けることに…。
途中、「わ~すごいよ~ここ…」と、思わず大きな声を出したのが、川端通りに出る手前のスペース。

背の高い桜の木が、何本も植わり、それが天を覆うように花を広げています。
「なんか桜の天井みたい…」
細い枝が、まるで網の目のように絡み合い、隙間なく空を覆っているのです。
「すごすぎる…こんなの見るの初めて…」と、大興奮のミモロとお友達。
祇園に何度も夜桜見物に来ているのに、全然気がつかなかった桜のポイントです。
「ここで、散りはじめたら、きっとすごく素敵なんじゃないの?」と、きっと歌舞伎の花吹雪みたいになるのかも…。

「また、来てみたい…」とミモロ。

日本全国、どこの桜も美しく…。どれも世界にひとつだけの花…。その美しさは、見る人の心のありようで、華やかにも、また哀愁を帯びた姿にも見えるのです。
昨年、一緒に見た人が、今はいない…。この世で見られる桜には、限りがあります。「今年もまた桜に出会えた…」すぎた1年を思わずにはいられません。

毎日、桜を見るために、町を歩き回るミモロでした。





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コメント (1)
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