この春も、ミモロは、鞍馬の「白龍園」へのお花見にやってきました。
この日は雨。
1日中、春とは思えぬ冷たい雨が降り続けていました。
「でも、お花、雨で散っちゃうかもしれないから、見に行くの~」と、出かけたミモロです。
「わ~見て~まるで雪が積もったみたい…」
園内につづく石畳、そして周囲の緑の苔の上には、薄紅色の花びらが散り、まるで雪景色のよう…。
ミモロは、その中を、周囲の桜を眺めながら、トコトコと進みます。
「スゴイ~」
園内にある東屋で雨宿り。「あ、叡山電車が見えるよ~」
桜の中を鞍馬に向かう叡山電車の姿が見えます。
ここ「白龍園」は、子供服メーカーの「青野株式会社」が所有する山。50年以上の歳月をかけて、青野さんのご家族をはじめ、社員たちが、荒れた山を少しずつ、自分たちの手で整備したもの。山には、白髭神社など、地域を守護する神様もお祀りされています。
桜、新緑、紅葉の時期に限り、1日限定100名で一般公開されています。
その入園券は、叡山電車「出町柳駅」だけで、当日券のみの発売です。お得な電車とのセットでひとり2000円。入園券だけなら1300円です。園には駐車場がないので、電車の利用を。
今回の春の公開は、5月17日まで。チケットは、ひとり1枚しか購入できません。
詳しくは、「叡山電車」のホームページでどうぞ。
「なんて素晴らしい景色なんだろ~」と、ミモロは、山の景色に見とれるばかり。薄紅色の桜が、山裾に広がる鞍馬の景色。雨で、煙る山も幽玄の趣があります。
山は、桜だけでなく、ツツジやヤマブキも満開。鞍馬は、遅い春の盛りを迎えていました。
「わ~花吹雪…」風が吹くと、枝から花びらが舞い落ちます。そしてミモロの上にも…
「キャ!桜…」
雨が降りやまぬ中、それでもミモロは、歩きます。
「だって素敵なんだもの…」
雨宿りをしながら、眺める山桜。「でも、雨だから、苔の緑がとてもイキイキして見える…。雨もいいかも…」
最後に桜の花びらの絨毯を敷いたような石段を下って、休憩所に向かいました。
「滑らないように~っと」注意しながら…
「あ、ミモロちゃん、今年も来てくれたんだ~」と、この園を50年ほど見守り続ける方に迎えられたミモロ。
古い趣漂う茶店には囲炉裏が
「火のそばで温まってね~。寒かったでしょ」と。
「はい、ちょっと濡れちゃいました」タオルで、体を拭くミモロ。
ここでは、お抹茶やぜんざいなどがいただけます。「あの~ぜんざいお願いします」毎回、ミモロが注文するアツアツのぜんざい。
あたたかな茶店の中で、じっとぜんざいが運ばれるのを待つミモロです。毛並もだいぶ乾いたよう…。
「はい、お待ちどうさまです~。熱いから気を付けてくださいね~」
お餅が2つ入ったぜんざい。
フーフーと息をかけながら、猫舌のミモロは、ゆっくりいただくことに…。
食べ終わったミモロに「ちょっと抱っこさせて~」と。「ホント、かわいいね~。寒かったでしょ…」と。
「でも、桜も苔もすごくキレイでした」とミモロ。「あの苔は、みんなで大切に育ててるんですよ。ずいぶんりっぱになったけど、初めは今のようではなかったんです」と。手作業で苔のゴミを取ったり、地道な作業が年間を通じ行われているのです。
「あの~苔の上に散った花びらは、どうするんですか?」とミモロ。今はキレイな花びらも、次第に茶色に変わります。
「今は、風を送る機械である程度吹き飛ばしますが、それからは、ホウキなどを使い手作業でお掃除するんですよ」と。
「あのね~このお洋服、青野さんの子供服のはぎれを頂いて作ったの。すごく評判いいんだよ~。ミモロのお気に入りなの~」抱っこされながら、あれこれおしゃべりします。
「また、会いに来てね~」と…「はい、またね~」。
会えるのを楽しみにしてくださる方がいるって、なんて幸せなことでしょう。
アツアツのぜんざいと共に、愛情たっぷりのまなざしに、ミモロは、心も体も、ホカホカになりました。
冷たい雨が降っていても、ミモロは、温かさの中に…。
園内のスタッフのみなさまに、見送られ、春の「白龍園」を後にしました。
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