土曜日の夕方、ミモロは、丸太町通の「岡崎神社」にしだれ桜を見に行きました。
ここの境内には、しだれ桜数本あり、今、見ごろを迎えています。
「わ~ここも咲いてる…」芝生の上に散った花びら…過ぎゆく春を惜しむように見上げるミモロです。
境内で、桜を眺めていると、「あれ…なんか音楽が聞こえる…なんだろ?」とミモロは、耳をピクピク。
弦楽器の低く、深い音。そしてどこかの民族音楽を思わせるリズミカルなメロディーが、神社の西側から聞こえてきます。
西側には、東本願寺の別院があります。「お隣りからかな?なんかやってるの?」
ミモロは、岡崎神社から、音楽が聞こえる方向へとトコトコ進んで行きました。
「どうぞ、楽しんで行ってください…」と、門前にいるスタッフの方。
「へぇ~『春の岡崎ワールドミュージックフェスタ』だって…」ミモロが、門前でウロウロしていると…「入場無料ですから、どうぞ…」と。
ミモロは、よくわからないまま中へ
「ここにも桜咲いてる…」京都の町は、今、しだれ桜が満開…ちょっとお散歩するだけでも、結構いろんな桜が見られます。
境内には、テーブルとイスが並び、そこで家族連れなどが、のんびり休日のひとときを過ごしています。食べ物のテントもいろいろ。
「カレー、ハンバーガー、ワンタンなんかあるんだ~」。ここは『ワールドフードブース』世界各国の美味しそうな料理のテントが並びます。「う~今、お腹いっぱいだから、食べられない…残念…」と、今回は、見るだけに…。
さて、ミモロが耳にした音楽はというと、奥の本堂の中から聞こえてきます。
この「岡崎別院」は、真宗大谷派、東本願寺の別院で、ご本尊は、阿弥陀如来をお祀りしています。
比叡山を降りた親鸞が、法然のもとに通い、承元の法難で、越後に流されたのち、放免になり、関東で、教えを広めて、そして再び都に戻った時、最初に住んだのが、この地だと伝えられます。
その歴史ある別院を会場に、地元の人たちが集うイベントが開催されたのです。
『ワールドミュージックフェスタ』は、12時からスタートする昼の部と、17時からの夜の部の2部構成。
昼の部は、錦林児童館の子供たちによるHIP HOPのダンス、第三錦林小学校PTAのコーラス、平安女学院の中等、高等部の吹奏楽部の演奏など、地元の人たちが出演します。
さて、ミモロが訪れた夕方は、プロミュージシャンによる演奏が行われていたのです。
アメリカ・南米音楽、モンゴル音楽、そしてブラジル音楽のプロの演奏が楽しめます。
ミモロが、耳にした音楽は、モンゴルの馬頭琴の演奏でした。
「あれ、馬頭琴の音だったんだ~」馬頭琴は、モンゴルの民族楽器。三弦の楽器で、膝の上にのせ、弓を使って演奏します。
演奏しているのは、福井則之さん。京都出身で、馬頭琴の演奏に感激し、2004年にモンゴル自治区の内蒙古大学芸術院馬頭琴選考に1年間学び、またホーミーという1人で2つの音をだして歌う独特の歌唱法を有名な歌手に師事。帰国後、演奏家として、幅広い活躍をなさり、また先生として、京都寺町でお教室もなさっていらっしゃるそう。
広大な大陸に暮らすモンゴルの人々。その音楽も雄大な感じ…「あ、馬が走ってるみたいなリズムだ~」とミモロは、足でリズムを取りながら楽しそうに聞いています。「なんかワクワクしちゃうね~」と。
馬頭琴も、地域によって、違いがあるそう。
2つの楽器を使い分けて、それぞれ演奏してくれました。
そしてホーミーという複数の声が聞こえる独特の歌い方も披露。「すごい初めて聞いた…」と感激するミモロです。
間を閉じて、演奏を聴くと、目の前に、広大なモンゴルの草原が開けるようなイメージが浮かびます。
「馬頭琴って、すてきな音色だね~。寺町の「民族楽器のコイズミ」でお教室やってるんだって…」と、馬頭琴に興味を抱いたよう。では、今度のそこの楽器店に行ってみましょうね。
「お散歩して、偶然、すてきな演奏に出会っちゃった~ラッキー…」とミモロ。
京都に暮らすと、こういう出会いが度々あります。「楽しいね~京都って…」
優れたプロの演奏が、無料で聞ける…「しかもお散歩の途中だよ~」と。
もちろん、ミモロの暮らす東山岡崎という文化施設が多い地域ということもありますが、京都市内では、お寺や神社の境内や本堂での音楽イベントなどが多いのも事実です。
お寺や神社って、もともと人のために何かをなされる場所…。人との縁を結ぶ場所でもあるのです。
最近、特に、積極的に文化活動をする寺社仏閣が増えています。
演奏が終わるころ、あたりには夕闇が迫っていました。
「もうおうちに帰らなきゃ…」ミモロは、夕暮れの町をトコトコと家路をたどります。
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