ミモロのお家のベランダには、ミカンの植木鉢があり、毎年、春から夏にかけて、アゲハチョウがやってきては、たくさんの卵を産んでゆきます。この夏も、卵から幼虫が生まれ、ミカンの葉っぱをボロボロになるほど食べていました。
「アゲハチョウになるの楽しみ~」といつも見守るミモロですが、青虫になると、その多くは突然姿が見えなくなります。
「やっぱり鳥に食べられちゃってるみたい~」とある日、ベランダにスズメなどが来ているのを見たミモロは、ちょっと寂しそう。でもそれも自然の中の食物連鎖・・・「スズメやほかの鳥にも生活があるもんね~」と、わかっているけど悲しそう。
やがて秋になり、10月下旬、かなり涼しくなってきたころ、ミモロは、ミカンの木に青虫を見つけました。
「あ、こんなに大きくなってる~。今からチョウチョになって大丈夫かな~」
秋は日に日に深まって、朝晩の冷え込みを感じるようになりました。
青虫は、食欲旺盛、葉っぱをバリバリ食べています。でも、2日ほどたつと、「なんか動きが鈍くなってる~」とミモロ。
頭をもたげるスタイルでじっとしています。
しばらくして、また青虫のそばに行ってみると、枝に自分の体を透明な糸で固定しています。
「あ、なんかサナギの形に似てる~」
次の朝、見ると、そこにはサナギが…
外から見ると、あまり変化はありませんが、幼虫の体内では、蝶になる準備が着々に進行しているのでしょう。
青いサナギの状態は、11月下旬まで続きました。
「チョウチョって、卵かサナギの状態で冬を越すらしいよ~。でも中には、チョウチョになって落ち葉の中に入り込んで過ごすのもいるんだって~」とミモロは、熱心にインターネットで調べます。
「あ、サナギの色が黒くなってる~」
緑色だったのに、全体が黒っぽく、まるでアゲハチョウの羽を想像させる色が見え始めました。
「どうしよう~チョウチョになっちゃうんのかな~。今、チョウチョになっても外は寒いし、お花も咲いてないし、仲間もいないよ~。どうぞ、このまま春まで待ってて~」と祈るような思いで見つめるミモロです。
でも、そんなミモロの思いは、暖冬といわれるこの冬、気温の上昇でポカポカ日和が訪れました。
「なんかいやな予感・・・」朝、ベランダに行ってみると、
「わ~チョウチョになってる~」
「どうしよ~このままじゃ、寒くてすぐに死んじゃうかも~」ブルフルと羽を振るわせるアゲハチョウ。
ミモロが手を伸ばすと、そこに移ってきました。
ミモロは、アゲハチョウを手に乗せたまま、お部屋へ。そこにミカンの枝を木って来て、チョウチョをそこに移しました。
温かい室内、アゲハチョウは、羽をバタバタさせて飛ぶ練習をしているよう…
「どうしよう~このまま室内で暮らした方がいいのかな?でも、アゲハチョウの寿命ってそんなに長くないって聞くし、お部屋の中で春まで暮らせないよね~。どうしよう~」
アゲハチョウは、ミモロの心配を知ってか知らずか、室内のほかの植物に移ったり・・・
「お腹空いてるかも~」とミモロは、お花の鉢を買ってきて、アゲハチョウにプレゼント。
「でも、このままじゃ、アゲハチョウさんの人生いいのかなぁ~」
温かい室内で一生を終えるか、それとも寒くても自然の中をちょっとだけでも飛び回るのがいいのか、ミモロは3日間悩みます。
朝、ガラス窓にへばりついているアゲハチョウ。「お外、すごく寒いよ~。きっと死んじゃうよ~」と心配するミモロ。
でも、アゲハチョウは、窓ガラスから離れません。
ミモロは、覚悟を決めて、窓ガラスを開けました。ビューっと肌をさすような冷たい空気が室内に流れ込みます。
風が吹きこんだとき、アゲハチョウは、その風に乗るように、羽を動かし、舞い上がります。
「あ、飛んだ~」アゲハチョウは、窓から離れ、ベランダから外に飛びました。
その日は、晴天。青い空に向かって、空高く舞い上がるアゲハチョウ。
「わ~あんなに高く飛ぶ力があったんだ~すごい~」と、電柱のはるか上へと舞い上がってゆきます。
黒いアゲハチョウの姿は、やがて黒い点となり、青い空に吸いこまれるように見えなくなりました。
「行っちゃった~。これでよかったのかな~。どうぞどこかで生きて~。でも仲間がいないから寂しいね~」
ミモロは、アゲハチョウがいたお花の横で、いつまでも空を見上げていました。
まだミモロのミカンの木には、アゲハチョウのサナギが2つあります。
どうしたらいいのか、ご存じの方は教えてください。
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