ミモロが京都に住み始めて、もうすぐ1年。京都という土地柄でしょう、東京からたくさんのお友達が、ミモロに会いに?来てくれます。
「東京にいるときより、たくさんのお友達に会っているみたい…」京都を訪れる人にとって、誰かその土地に知り合いがいるというのは、ただ観光に来るという以上に、そことの結びつきを強め、その土地がいっそう身近に思えるようです。
ミモロも、そんな訳で、京都を訪れるお友達に声を掛けていただき、楽しい時を一緒に過ごす機会が増えました。
そんなある日、「また京都に行くので、ミモロちゃん時間ある?一緒にお出かけしない?」
「時間、あるある、たっぷり…」とミモロは、すぐにお返事。「じゃ、旅館まで迎えに来てくれる?」「OK!」ということで、朝、ミモロは、麩屋町御池にある旅館へと向かいました。
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麩屋町通に面し、黒壁が続く「俵屋」。門口には、さりげなく宿の名を記したものが。
国内外のVIPをはじめ、多数の文化人が、常連として名を連ねる名旅館です。
打ち水がされた玄関に到着したミモロ。
「あのーミモロと申しますが、ここにお泊りのお友達をお迎えに来ましたー」
年輩の宿の方が、「はい、ミモロさまですね。承っております。どうぞお上がり下さいませ」と、丁寧にミモロを中へと導きます。
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トコトコと宿の中を進むミモロ。中には、今を盛りと美しい桃の花が。
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「わーキレイ…」思わず立ち止まり、しばし鑑賞。
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中庭に面した小さなお部屋には、歴史を感じさせるお雛様の姿が。
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「こういうの、きっと海外のお客様が喜ばれるねー。新しいお雛様じゃないところも素敵!」
「さぁ、こちらへどうぞ…」宿の方の後について、ミモロは、2階へ。
「ミモロ様がご到着なさいました」と、お部屋の外から声を。
「あ、お待ちしてました。どうぞ、どうぞ中へ」とお友達の声が。
「では、今、お茶をご用意いたしますので、どうぞご出発までお寛ぎくださませ」。
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用意していただいたほうじ茶をいただきます。香ばしいお茶の香りが、ミモロの鼻をくすぐります。
「あのーお部屋の中を見ていいですか?」とミモロ。
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広いサンルームのような空間が、中庭に面して広がっています。
床から天井までの大きな窓。まるで外にいるような開放感にあふれた空間です。
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「なんか気持ちいいねぇー。町の中にいるのに、すごく静かで、全く外の音が聞こえない。うー別世界!」とミモロは、中にはの景色に見惚れます。大きな木や燈籠など、日本らしい風情に満たされた中庭は、とても広く感じられます。
光を抑えた室内からは、外の景色がいっそう鮮やか。
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「ミモロちゃん、こっちも見てごらんなさい」とお友達。
「わーここでお勉強したなぁー」と別の方向にある中庭に面した机へ。
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そもそも「俵屋」は、江戸時代中期に呉服問屋を営み、のちに宿を本業に。幕末の蛤御門の変で焼失するも復興。歴史を経て、数寄屋建築となり、建築家、故吉村順三が本館を手がけた本館を増築、その後、コンクリート造りの新館が作られました。コンクリート造りといっても、遮音や防火のためのもので、日本家屋の趣はそのまま。日本の美しい建築様式に、安全性や機能性を高めた作りです。
日本の宿の設えの美しさ、ストレスを感じさせない機能、そしてさりげない接客…あるゆる心地よいもてなしが、この宿を訪れる人の心を捉えて離しません。
「ここに泊まると本当に寛ぐのよー。目にするものすべてが、美しく、本物がもつ、さりげないパワーっていうのからし、それがとても心地よいの。お料理も本当に美味しかったわぁー。なんど泊まっても、いいわねー。京都に来たって感じがするの」とお友達。
それを聞きながら、ミモロは、羨ましくてなりません。
「ミモロもお泊りしたいなぁー、どんなお料理がいただけるのかな?」と、いろいろ想像をめぐらします。
あまりにこの宿が気に入っているミモロの様子を見たお友達、
「これ、おうちで使ってみて…」とプレゼントをくださいました。
その日の夜、家に戻って、それを開けてみると、
ステキな箱の中に、四角い品々が。「あ、これお菓子?クンクン」
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ミモロ、食べちゃダメよ。それは「俵屋」オリジナルソープ。
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「わーいい香り…うちのお風呂で、お泊り気分を味わおうっと…」。
バスルームに漂う甘く、そして爽やかな香りに包まれながら、「いつか誰かとお泊りしよう…」と、その日を楽しみにするミモロでした。
*「俵屋」京都市中京区麩屋町姉小路上ル 電話075-211-5566 1泊2食付4万円台~。ご予約は、お電話などで。宿のオリジナル製品などが購入できる「遊形サロン・ドテ」は、お茶とデザートが楽しめる素敵なティーサロン。宿のすぐそばにあります。住所:中京区姉小路麩屋町東入ル 電話075-212-8883 営業時間:11:00~19:00 火曜休み(4月、11月は営業)「俵屋」の心地よさが、ちょっとだけ味わえるサロンです。上質のおみやげをさがすにも、おすすめの場所。
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