京都の伝統工芸のひとつ「京表具」。襖や障子、掛け軸、屏風などに紙を貼る使われる技術です。
「これで紙貼るんですか?」ある日、ミモロは、京表具伝統工芸士である小野澤光紀さんの工房見学に出かけました。
「ようこそ~」と、今出川通の「白峯神社」の近くにある工房で出迎えてくださった小野澤光紀さん。
「今日はよろしくお願いします~」とご挨拶するミモロです。
京都の老舗旅館や茶室などを手掛ける「静好堂中島」で、22年修行し、独立なさった小野澤光紀さん。裏千家出入職方も務められています。技能グランプリの表装部門で全国2位をはじめ、さまざまな技術部門の賞を授賞なさってます。伝統の技を使い、独自のオリジナルアートなども製作。国内外から注目される伝統工芸士のおひとりです。
「ここでいろいろ作業するんだ~」ものづくりの工房は、どこもミモロにとって興味津々の世界です。
水場には、いろいろな種類のハケが下がっています。
職人さんの工房で、驚くのは、その道具の種類の多さ。同じハケであっても、大きさや素材など微妙に異なるものが豊富で、それを作るものによって使い分けます。
表具に使う雅な色合いの布などもたくさん。
ミモロにとっては、心惹かれるものばかり…。
「ミモロちゃん、京表具って知ってますか?」と小野澤光紀さん。
「あの~掛け軸作る技術でしょ」とミモロ。「う~まぁ、それもありますが、一口に掛け軸って言ってもいろんな決まり事があるんですよ」と小野澤さん。
さっそく京表具の基本中の基本を教えていただくことに…。
そもそも表具は、昔、大変貴重なお経の巻物を保存するために発達した技術。「あ、お経の紙がボロボロになっちゃわないようにするんだね~」とミモロ。「はい、そうです。別の紙で裏打ちして補強するわけですね」と小野澤さん。
その技術はさらに発展し、お経だけではなく、さまざまな紙の作品に使われます。
「床の間に下げる掛け軸って、表具の代表的なものって感じがする~」とミモロ。
「はい、そうですね。例えば、掛け軸って言っても、表装の形式には、3つあって、お寺で仏画などの「真」これはかなり大きなものですね。日本画などの表装は「行」。そして茶室のかける禅語などの「草」があり、それぞれふさわしい表装の仕方があるんです」と。
ミモロがわかるように、絵を描いて教えてくださいました。「フムフム…そうなんだ~」
「あの~表具に使うハケって、障子貼るときに使ったことあります」とミモロ。「う?ミモロちゃんも障子貼りしたんだ~」と驚く小野澤さん。「あのね~前に遊んでて破っちゃったことあるの…それで…」ネコらしいジャンプをしてしまったようです。
表具の技術は、掛け軸だけではなく、襖や障子などにも使われます。
京都では、年に1度は、障子を張り替えたもの。京表具師は、お屋敷やお茶室に出入りして、お仕事を行います。
「裏千家と表千家では、障子の貼り方が違うんですよ」と小野澤さん。「え~そうなの?!」と目を丸くするミモロ。
「裏千家の障子は、石垣貼りといって、紙が重なる部分が、障子の枠の中央部に来るんですが、表千家は、つぎ貼りと言って、障子の中央を避けた貼り方です。つまり、それぞれの千家の貼り方をするものなんですが、それがわかっている人は、ずいぶん少なくなっているようです」と。
「え~知らなかった~つまり、茶室の障子を見ると、ここがどの茶道の流儀のところかわかるんだ~」とミモロ。
「でも、普通のお宅のお茶室で、そこまでこだわっているところは少ないかもしれません」と。「え~今度、お茶室行ったら、障子見なくちゃ…」とミモロ。
障子紙の重なり具合にも厳密な決まり事があるそう。「さすが茶室の美意識って凄い!」とミモロ。
最近は、障子がある家が少なくなり、また障子の貼り方も、大きなサイズの障子紙をベロンと一度に貼る簡単なものもあります。
「昔、障子を張り替える前に、子供たちは、パンチ!って、障子紙を破って遊んだんだって~。いつもは、障子破ると怒られるけど、その時だけは思い切り破ってよくて、すごく楽しかったって~ママが言ってた~」とミモロ。
障子の枠を水で濡らし、障子紙をすべて剥がし、きれいにする作業は、家族総出で行ったことがあります。
京都では、お寺や茶室に障子は今も多く、光を写し、外の景色に趣をもたらす大切なもの。
「今度、もっと障子をよく見よう~」と思うミモロでした。
「じゃ、今日は、裏張りの様子ご覧にいれましょうね~」と小野澤さん。
「はい、よろしくお願いします」とミモロは、ワクワクしながら作業が始まるのを待つことに…
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