「もうすぐ祇園祭だね~」と、ちょっと気の早いミモロは、烏丸三条にある「千總ギャラリー」を訪れました。
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現在、こちらでは8月22日まで「千總の屏風祭」という展示が行われています。
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「千總」は、中京区にある京友禅の老舗。弘治元年(1555)に法衣織物業として創業。多くの寺の法衣などを手掛けるとともに、江戸中期には、御所や宮家の御用を務め、さらに友禅の着物づくりの高い技術は、多くの女性たちの憧れに…。
本社のある烏丸三条には、さまざまな着物文化を伝えるための展示スペース「千總ギャラリー」があり、所蔵する歴史的品々などを見学することができます。
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ゆとりあるスペースの1階…「いろんな現代の作品なんかもあるんだ~」と。これは後で拝見しましょう。
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まずは、2階のギャラリーへ。
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現在の展示は、「千總の屏風祭」で、これらは、120年前に千總が屏風祭で披露した作品を展示しています。
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そもそも屏風祭というのは、祇園祭の時期に、山鉾が建つ室町や新町エリアなどにある旧家や商家が、代々所蔵する秘蔵のお宝を公開し、祭りを盛り上げるもの。
今も祇園祭の時期には、通りから町家の格子越し拝見できたり、内部に上がれる町家などもあり、山鉾を見学するとともに訪れる人にとっての楽しみのひとつでもあるのです。
明治時代は、町家で公開された屏風は、今回は、ギャラリーのガラスケースの中に展示されています。
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「う~ちょっと屏風祭の趣はないけど、作品がよく鑑賞できるね~」とミモロ。
さて、展示作品の一部をご紹介します。
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「あ、このお祭り知ってる~」とミモロがいうのは、山口素絢の「やすらい祭図」です。文化5年(1808)の作品で、京都の「今宮神社」に春に疫病退散を祈願して行われる祭りです。
山口素絢は、江戸中期の絵師で、円山応挙の弟子のひとりです。
「鹿がいっぱい~」とミモロが鑑賞するのは、江戸中期に長崎にやってきた中国・清の画家・沈南(しんなんびん)の作と伝えられる「群鹿図」です。
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2年の滞在で、当時の絵師たちに大きな影響をもたらしたといわれます。
「絵もいいけど、両脇の文字がすごい!」というミモロです。
展示された屏風の中で、もっともミモロが心惹かれたのは、幕末から明治に活躍した日本画家、岸竹堂の「牛馬図」です。
「わ~本物みたい~」とミモロはビックリ。
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躍動感あふれる馬の姿です。ここでミモロが特に驚いたのは、この絵が屏風のために描かれていること。つまり、屏風を立てることを予め想定し、馬のお尻などが、手前に来て、立体感がもたらされるのです。
「この屏風を壁に平に飾ると、馬の胴体が長くなって、間延びしちゃうんだって…」と学芸員さんに教わってミモロです。
隣の牛の屏風も同様で、牛の頭が近く感じられるようになっています。
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「屏風って襖絵と違うんだ~」と改めて知ったミモロ。奥行を意識した構図が見事です。
「あ、これ八坂神社の神様だ~」と「牛頭天王」と書かれた軸。
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「祇園祭ももうすぐだよね~」と、7月から始まる祭りで、ちょっと気が早いように思われるかもしれませんが、すでに京都の町は、3年ぶりの山鉾巡行と神輿渡御に向けて、着々と準備が始まっています。
今年は、先祭りの山鉾巡行は、3連休の中日の日曜17日。そして後祭りはやはり日曜日24日に巡行が行われます。
「すごい見物人が来るんじゃないの…」と、多くの人が待ちわびた祭り…その賑わいはいかなるもの…。
「千總の屏風祭」の展示は、ミモロの心にいっそう祇園祭への思いを募らせるものになったよう。
「ぜひ、多くの方にご覧頂きたいと思っています」と学芸員の方。
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京都にいらしたら、ぜひ立ち寄ってはいかがでしょうか?
*「千總ギャラリー」の詳しい情報はホームページで
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