「夢の手枕(たまくら)」という用語の用例は、日本国語大辞典・第2版では、大観本謡曲『絵馬』(室町末)からの例が添えられていますが、さかのぼる例があります。
歎わひさてふるほとの思出にむすひもはてぬ夢の手枕
夢の手枕。妖艶之由各申。
(巻第百八十九・光明峯、寄枕恋、四十八番・右・忠俊寺摂政家歌合)
塙保己一編『群書類従・第十二輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、519ページ
逢恋
よひよひにいらて明つるねやの中は我も習はぬ夢の手まくら
(巻第四百八十八・春夢草)
塙保己一編『続群書類従・第十七輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1958年、911ページ