「にほてるや」という用語は枕詞で、「琵琶湖周辺の地名「矢橋」「桜谷」「志賀」にかかる。」という語釈ですが、日本国語大辞典・第二版の和歌用例(新千載集=1359年)よりもさかのぼる用例があります。
にほてるややはせの渡りする舟をいくたびみつつせたのはし守
(27・永久百首、雑三十首、船、664)
『新編国歌大観 4』角川書店、1986年、262ページ
にほてるやさくらだによりおちたぎる浪も花さくうぢのあじろ木
にほてるやしかのうらわのさざ浪に春をもよする風のおとかな
(131・拾玉集、2306、4577)
『新編国歌大観 3』角川書店