「コンバット」
第33話 「仮面のドイツ兵」
本国 第35話(第2シーズン3話) 「Masquerade」
(本国放送 1963年10月1日)
役名:ヘンリー少尉
「吹替の帝王」に、小林清志さんの悟朗さん追悼インタビューが載っています。
その中で、小林さんが悟朗さんと初めて会った時の事をお話になっていました。
(悟朗さんのお別れ会の時の原稿をインタビューに持ってこられ、読み上げられたとの事です。)
それによると
(悟朗さんと最初に会ったのは)
『1962年頃、TBSの外画『コンバット』でした。~中略~
ただ外画に出ても、ペーペーの兵士1、2といったようなあんばい。
その頃、納谷さんはすでに主役を張るようなスターでした。』
と言う事でした。
インタビュー全文はこちらをご覧下さい。
http://video.foxjapan.com/library/fukikae/interview18.html
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小林さんの「コンバット」御出演と聞いて、私が真っ先に思い浮かべたのはジェームズ・コバーンさんがゲストだった「仮面のドイツ兵」でした。
この作品がお二人の「最初の出会い」だったのでしょうか。
「コンバット」にお詳しいkiria様に、小林さんのゲスト作を教えて頂きました。
第33話 「仮面のドイツ兵」 カンガー伍長(ジェームズ・コバーン)
第53話 「人質の三人」 MP役 (このエピソードのメインゲストはドイツ将校役のマーク・リッチマン(家弓家正)でした。)
第74話 「人間嫌い」 キーリー軍曹(ネヴィル・ブランド) メインゲストです。
私のメモをチェックした所、
第113話 「敵スパイ潜入」 でフランス人レジスタンス、デュボアに扮したドイツ人役も演っていらっしゃいました。
33話以前の自分のメモがなく、もしかしたらこの前にご出演の可能性もあるのですが、一応この「仮面のドイツ兵」を最初の作品とさせて頂きます。
但し、KAMEちゃん。様にご教示頂いたのですが、小林清志さんと悟朗さんは「コンバット」より前に、「アンタッチャブル」(1961年5月放送スタート)でご一緒されていたそうで(数話)、「コンバット」が最初と言うのは小林さんのご記憶違いの模様です。
小林さんは、「アンタッチャブル」ではいろいろな役を演っていらっしゃいましたが、アル・カポネ役のネヴィル・ブランドさんも担当していらっしゃいました。
なお、コバーンさんの「アンタッチャブル」でのゲスト出演は、悟朗さんが吹き替えられていたそうです。
(「アンタッチャブル」の悟朗さんと小林さんのゲスト作は、また別にご紹介します。)
「仮面のドイツ兵」が本当の意味での最初の共演作とは言えないかもしれませんが、小林さんがご記憶の最初の作品と言う事で、お二人のシーンをご紹介します。
このエピソードのヘンリー少尉は、まあまあ登場と言う感じでした。
(完全欠席も多いヘンリー少尉なので、コバーンさんがゲストのこのエピソードにちゃんと登場していてヨカッタです!笑)
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上記インタビューによると、この頃の小林さんは『ペーペーの兵士1、2といったようなあんばい。』との事ですが、コバーンさんは堂々のゲスト出演です。
OPのゲスト枠に載っているジェームズ・コバーンのクレジット
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コバーンのカンガー伍長とカムストック少尉は、タイトル通りアメリカ兵に扮したドイツ軍スパイです。
彼らが「捕虜のドイツ軍大佐を護送中」、ジープが地雷を踏んでしまい、大佐は重症。
そこへ通りかかったサンダース軍曹達は、とりあえず彼らを自分達の小隊へ連れて行きます。
カンガー伍長(コバーン)、カムストック少尉、ヘンリー少尉
軍医が大佐を診察中、じれるカムストック少尉は行ったり来たり、落ち着きません。
カムストック(声?) :いつまで待たせるんだ。あの捕虜の重要性が分からんのかな。
早く連れて帰らんと。
納谷: 一番腕利きのシムズ軍医が来てくれたんだ。
小林: 雁首そろえて待ってもしかたねえな。
納谷:(カムストック少尉に向かって)もしジャバでもやりたかったら、用意が出来てるが。
「ジャバ」の意味が分からないらしいカムストック少尉は、カンガー伍長の方を見ます。
カムストック少尉のSOSを理解したカンガー伍長。
小林: 俺はコーヒーはいらんです。
何なら行ってらっしゃい。こっちに居ますから。
カムストック少尉: そうだな。じゃあご馳走になるとするか。
納谷: サンダース!カムストック少尉にコーヒーをあげてくれ。
*「ジャバ」は原語でもそうなっていました。
*上記の小林さんの「雁首そろえて待ってもしかたねえな。」ですが、原語ではこの部分はヘンリー少尉のセリフの一部でした。
何もしないで突っ立っているだけだし、あなたと伍長がジャバでもやりたかったらありますよ・・・みたいな感じでした。
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その後、サンダース軍曹はカンガー伍長達を怪しみ出します。
ヘンリー少尉にカムストック少尉のそぶりが変だった事等を指摘しますが、ヘンリー少尉は、
納谷: 少尉なんてのは、変わった奴が多いさ。
と言って却下。
ご自分も少尉なんですけど・・・。(笑)
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司令部から救急車が来て、やっとドイツ軍大佐の「護送」が続行出来そうです。
小林: どうだドイツのおっさんの用意は?
納谷: 予定が変更になった。出発を少し延ばす。
小林: のばす?
納谷: 司令部からの、連絡待ちなんだ。
小林: しかし少尉どの。
納谷: このまま待つんだ。
小林: イエス・サー
ヘンリー少尉は、やはりサンダース軍曹の勘を無視出来なかった様です。
この後、サンダース軍曹とカンガー伍長の会話があります。
(この部分はモチロン省略。笑)
司令部からの連絡を受けるヘンリー少尉。
ヘンリー少尉の指輪にいつも注目してしまいます。(笑)
納谷: 出発せよ。
小林: イエス・サー
そして「どうもいろいろお世話になりました。」と言って出て行きました。
司令部からは、カムストック少尉もカンガー伍長も594部隊に所属しているとの知らせでした。
が、その後この二人が行方不明になっているとの追加情報が入ります。
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「コンバット」
第33話 「仮面のドイツ兵」
本国 第35話(第2シーズン3話) 「Masquerade」
(本国放送 1963年10月1日)
サンダース軍曹:田中信夫
ヘンリー少尉:納谷悟朗
カービー:羽佐間道夫
ケーリー:山田康雄
リトルジョン:塩見竜介
ドク:嶋俊介
アーノルド・カンガー伍長(ジェームズ・コバーン):小林清志
デービッド・カムストック少尉:?
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私がこのエピソードを最初に拝見したのは、1970年代の再放送でした。
(既に悟朗さんのファンになっていたので、「コンバット」も一生懸命拝見しました。)
その時は小林清志さんのジェームズ・コバーンと言うのは既に定着しており、これを拝見した時も「ちゃんと小林さんだ!」と思いました。
が、小林さんの洋画でのコバーンさんの吹き替えは、1971年TBS放送の「電撃フリントGO!GO作戦」(DVD収録とは別バージョンです。)が最初だった様です。
ですから、この「コンバット」のゲストはそれ以前で、もしかしたら小林さんの一番最初のジェームズ・コバーンの吹き替えかもしれません。
(コバーンさんは他にもTVのゲスト作がある為、コンバット以前に吹き替えていらっしゃる可能性がないとは言えません。
一番興味津々なのは「ルート66」のゲストです。何方かキャストがお分かりでしたら、ご教示頂ければ幸いです。)
TBS版「電撃フリントGO!GO作戦」のキャスト詳細をこちらに載せています。
https://ameblo.jp/nayagorofan/entry-12505481043.html
コバーンさんの吹き替えリストです。
興味のある方はご覧下さい。
https://ameblo.jp/nayagorofan/entry-12505479447.html
これは1960年放送の「風雲クロンダイク」と言うシリーズのコバーンです。
この時は大平透さんが担当なさっていたそうです。
https://ameblo.jp/nayagorofan/entry-12505481082.html
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小林清志さんのますますのご活躍をお祈りしております。
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*吹替の帝王
*荒野の流れ者様、kiria様、KAMEちゃん。様
*IMDb
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少しだけ文章を修正しました。(2024年10月21日)