自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

銀河英雄伝説 第38話 その2

2006-06-29 | 銀河英雄伝説
続きです。その1よりお読み下さい。

***

ムライが、メルカッツ提督のご見識は分かりましたが、具体的にはどうされるおつもりか・・・とさらに問うと、ヤンが、組織の中に居るものが、自分自身の都合だけで身を処する事が出来たら、さぞいいだろうと思うよ。私だって政府のお偉方には、言いたい事が山ほどあるんだ。特に腹立たしいのは、勝手に彼らが決めた事を無理に押し付けてくる事さ。と返し、本国政府の出方を待とうと締めくくった。

シェーンコップはヤンに、言いたい事があるのなら言ってみたら良かったのです。「王様の耳はロバの耳」と怒鳴れば少しは気が晴れるでしょう、と言うが、ヤンは、公の席で現役の軍人が、政治批判をする訳にはいかないと言う。
思うのは自由だが、言うのは必ずしも自由じゃないのさ、とヤン提督。
シェーンコップは、言論の自由は思想の自由よりテラトリーが狭いと言う訳ですな。
自由惑星同盟の「自由」とはどちらに由来するんですかな?と返した。

メルカッツ提督とシュナイダーの会話です。

メルカッツ(納谷悟朗)「人間の想像力等、たかの知れたものだな。まさかこういう運命が待ち受けていようとは、つい一年前には考えもしなかった。」
シュナイダー(目黒裕一)「小官は自分なりに閣下の為に良かれと思って亡命をお勧めしたのですが・・・。」後悔している気味のシュナイダー君です。
メルカッツ「ほう、卿は喜ぶと思ったがな。ローエングラム公と対決する者にとって、これ以上の肩書きはないと言う気がするんだが。」
シュナイダー「正統政府の軍務尚書と言えば聞こえはいいですが、実情としては、閣下が指揮なさる兵士の一人もいないではありませんか。」
メルカッツ「一兵をも指揮する身でない事は、現在も同様だが。」
シュナイダー「それでも、ヤン提督の艦隊を一時ながら預かって指揮をなさいました。今度はそれすら望めません。虚名があるのみで、一グラムの実もありはしない。
レムシャイド伯はまだしも、他の人たちは爵位を持つ貴族と言う以外に、何ら特徴のない人達ではありませんか。あの面々でローエングラム公への反対者を糾合出来るものやら、小官は危ぶまざるを得ません。」
メルカッツ「だが、皇帝陛下がおわす。」
シュナイダー君、ハッとしていました。(笑)
「あまり思い煩っても仕方がないな。まだ正式に要請を受けた訳でもない。ゆっくり考えるとしよう。」(提督~~~、そんなノンキな事言ってる場合じゃないと思うな。爆)

ローエングラム公から同盟に向けて、演説が流された。
テロリスト達によって、皇帝陛下が拉致された。旧体制下にあってフェザーン駐在の高等弁務官として私服を肥やした、レムシャイド伯と旧門閥貴族の一統が犯人であると言う。
不法かつ卑劣な手段によって幼年の皇帝を誘拐し、歴史を逆流させ、人民の権利を強奪しようとする門閥貴族の残党どもは、その悪行に相応しい報いを受けるだろう。
彼らと手を組み、宇宙の平和と秩序を乱す自由惑星同盟の野心家も同様である。
「・・・誤った選択は、正しい懲罰によってこそ、矯正すべきである。罪人に必要なのは交渉でも説得でもない・・・ただ力のみが彼らの暗きを開かせるだろう。
今後どれほど多量の血が流される事になろうとも、責任は、あげて愚劣な誘拐犯とその共犯者にある事を明記せよ!」と、宣戦布告を宣言した。

イゼルローンが再び戦場になる日は近い。

***

「皇帝陛下がおわす」の一言、かなりインパクトがありました。
やはりゴールデンバウム王朝に40年以上仕えたからこそ出てくるセリフでしょう。

ヤン提督は、本当に聡明な方だと思いました。

あとは、同盟の人間が(ヤンも含めて)メルカッツ提督に敬語を使い続けるのが、何となく嬉しいです。(笑)

***

キャスト

ラインハルト:堀川亮
ヤン:富山敬
ユリアン:佐々木望

ルビンスキー:小林清志
ケッセルリンク(ルパート):鈴置洋孝
ドミニク:平野文

キャゼルヌ:キートン山田
シェーンコップ:羽佐間道夫
ムライ:青野武
アッテンボロー:井上和彦

レムシャイド:小林恭治
ランズベルグ:塩屋翼
エルウィン・ヨーゼフ:江森浩子
ボーメル:島香裕

メルカッツ:納谷悟朗
シュナイダー:目黒裕一
ポプラン:古川登志夫
コーネフ:鈴置洋孝(注3)

トリューニヒト:石塚運昇
ナレーター:屋良有作

***

(注1)今回登場していませんが、ボルテックは、仁内達之氏です。最初の頃は、いつも小林清志氏のルビンスキーと一緒に登場していました。
(注2)これも登場していませんが、デグスビィ役は、納谷六朗氏です。
(注3)鈴置氏、二役です。
暗い感じの野心家ルパートと明るいコーネフを、演じ分けて下さっています。
イワン・コーネフは、フェザーンの自由商人ボリス・コーネフ(安原義人氏)とは従兄弟の設定だったと思います。

*次回は第55話「儀式から再び幕は上がり」をご紹介します。
理由:家弓さんも出ているから。(爆)
「銀河英雄伝説」のご紹介は次回で、一応オワリの予定です。


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銀河英雄伝説 第38話 その1

2006-06-29 | 銀河英雄伝説
「銀河英雄伝説」 第38話 「矢は放たれた」
役名:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ

帝国から自由惑星同盟への亡命者を運ぶのも、フェザーン商船の仕事の一つだった。
初期の頃は帝国の圧制から逃れた共和主義者が大半だったが、最近では、政治闘争に敗れた貴族や皇族の亡命も増えていた。

ロシナンテ号のボーメル船長が今運んでいるのは、大変高貴な方らしいが、とにかく全く躾のされていないどうしようもない子供だった。
弁務官事務所からのお声がかりだと言う。
何故か、リップシュタット連合軍で、いつもフレーゲル男爵(二又氏)らと一緒に居たランズベルグ伯(塩屋翼氏)が、この方に同行していました。
どうやって生き残ったんでしょう、ランズベルグ伯?
そしてどうしてここに居るんでしょう?(笑)
だいたい詩人の彼が、どうして勇ましく(??)リップシュタット連合軍に加わっていたのか、それからして結構不思議でした。(笑)

フェザーンでは、ルパート(鈴置氏)がルビンスキー(小林清志氏)に、皇帝の一行は一週間後にフェザーンに到着し、レムシャイド伯(小林恭治氏)と合流して同盟に向かう予定です、と報告する。
それを聞いたルビンスキーは、ボルテック(注1)の交渉が上手く行ったようだと喜んだ。
ルパートは、そうとばかりも言えません。ローエングラム公(堀川氏)を手玉に取ったつもりが、実は手玉に取られたのはボルテックの方かもしれません、と指摘するのだった。

ルパートは愛人のドミニク(平野文氏)の元へ行き憩うが、ドミニクに地球教の司教デグスビィ(注2)の弱みを握って欲しいと頼む。
味方にするの?と聞くドミニクに「手下にするのだ。」とルパートは答えた。

イゼルローン要塞では・・・。
静かで平穏な日だった。
が、本国からの重大発表があり、全員が視聴する様にと、命令が下っていた。
最高評議会議長のヨブ・トリューニヒト(石塚氏)が、全人類の歴史に巨大な転機が訪れた事を宣言すると言い、更に自由惑星同盟は、帝国からの亡命者を迎えたと言うのだった。
その亡命者の名は、エルウィン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム。
ゴールデンバウム王朝の最後の皇帝、幼帝エルウィン・ヨーゼフ二世、その人だった。

エルウィン・ヨーゼフ陛下の下に、亡命者達による正統政府をここに樹立すると言う。
亡命政権の代表者として、レムシャイド伯が挨拶し、正統政府の閣僚名簿が発表された。
国務尚書にレムシャイド伯。そして軍務尚書にメルカッツ提督。
またまた自分の知らない所で、事が動いているメルカッツ提督です。
驚愕するメルカッツとシュナイダーだったが、シュナイダーが、全くの初耳なのです。どうしてレムシャイド伯が閣下の名前を出されたのか、こちらが知りたいほどです、と説明すると、

ヤン提督(富山氏)「わかっている。誰もメルカッツ提督が御自分で売り込まれたなどとは思っていないさ。私がレムシャイド伯とやらでも、メルカッツ提督に軍務尚書の座を提供するだろう。他の候補など考えられない。」
シェーンコップ(羽佐間氏)「同感ですな。」

と、二人がフォローしてくれました。(笑)

わずか七歳の幼帝が自ら亡命してきたはずはなかった。
銀河帝国とゴールデンバウム家が一体で無くなった事は、確かだった。

ヤンは、分裂した敵の一方と手を結ぶのは、良くある事だが、その手を結ぶ時期が既に遅すぎたばかりか、その実力もない相手であり、この件で一番利益を得るのは、ローエングラム公だと気付く。
皇帝陛下の受け入れを巡る、同盟国内の分裂。そして皇帝奪還を目的にした、軍事行動の正当化。故意に皇帝を逃がしたと考えるのが一番妥当だった。
今回の事によって、同盟は帝国の反動勢力の共犯者になってしまった。
帝国の民衆は、門閥貴族を憎むのと同じ様に、自由惑星同盟を憎むようになるだろう。

ヤンは、旧門閥貴族の残党には、皇帝誘拐を成功する力は残っていないはずと読んだ。
また皇帝は亡命に、イゼルローン回廊を通っておらず、フェザーンが介入している・・・と、言うより、ローエングラム公とフェザーンが手を組んでいると、ヤンは、相変わらず見事な洞察力でした。

街ではナイト(「騎士」のナイトの様です。)シンドロームが蔓延していた。
幼い皇帝を守って、正義の為に戦うのだと言う。
ゴールデンバウムを守るのが正義とは・・・とシェーンコップが皮肉った。

キャゼルヌ(キートン山田氏)やシェーンコップが、童話の正義を語っている時(昔から、王子や王女が正義で、大臣が悪と相場が決まっている。しかし童話のレベルで政治を判断されてはたまったものではない、と言うのだった。)、ヤンは、大貴族の支配から解放された250億の民衆は、反動勢力と手を組んだ同盟を許さないだろう。われわれは帝国の国民軍と戦うのか?その時、正義はむしろ彼らの側にあるのではないのか?と考えるのだった。

ムライ(青野氏)にメルカッツ提督はいかがなさるのですか?と問われ、メルカッツは、皇帝陛下への忠誠心は、彼らに劣らぬつもりですが、陛下には一市民として波乱のない生活を送って頂きたいと思っています、と答えた。
メルカッツには、彼らが、幼い陛下を政争と戦争の渦中に置こうとしている事が、不可解なのだった。
亡命政権など作った所で、ローエングラム公の覇権を覆す事は不可能でしょう・・・亡命政権を作るなら、自分達だけで作ればいい。
判断力も備えておいででない陛下を巻き込む事はないはずです、と言うのだった。

これを聞いて、シェーンコップは、需要と供給が見事に一致したんですな、と指摘した。
ローエングラム公の権力基盤は民衆であり、皇帝の権威を必要としない。
一方レムシャイド伯は亡命政権において主導権を握る為に、皇帝が必要なのだ。

***

その2に続く


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銀河英雄伝説 第24話

2006-06-24 | 銀河英雄伝説
銀河英雄伝説 第24話「誰がための勝利」
役名:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ

このエピソードは、前半は同盟内での分裂を描いていますが、私はメルカッツ提督が登場されない部分のストーリーはあまり良く分かりません。(一度全話拝見した事はありますが、基本的には、メルカッツが出ている話を重点的にチェックしました。)
その部分は割愛して、亡命してくるメルカッツ提督関係の場面をご紹介します!!
お茶濁しの手抜きになりますが、セリフを抜粋してお届けします!(笑)

なお、著作権侵害の意図はありません。

***

ユリアン(佐々木望)「メルカッツ提督をご存知ですよね?」
ヤン(富山敬)「ああ、帝国軍の名将だ。ローエングラム公ほどの華麗さはないが、老練で隙のない用兵をする人だ。人望もある。だけどそれがどうした?」
ユリアン「その帝国の名将が亡命して来たんです。ヤン提督を頼って!」

***

ムライ(青野武)「信用してよいものでしょうか?」
ヤン(富山敬)「メルカッツ提督はご家族を連れてみえられたのかな?」
キャゼルヌ(キートン山田)「いや、家族は帝国に残してこられたと・・・」
ヤン「そうか、それならいい。」
ムライ「良くはありません。それでは人質を取られているも、同然ではありませんか。」
ヤン「いや、もしもメルカッツ提督が我々を騙す目的で来たのなら、家族を残して来たとは言われないだろう。監視役としてニセの家族がついて来る・・・そんな所だろう?」
バグダッシュ(神谷明)「まあ、そんな所でしょう。メルカッツ提督と言う人は、純粋の武人で、謀略とかには無縁でしょう。信用していいと思いますが。」
シェーンコップ(羽佐間道夫)「お前さんよりは、はるかにな。」
バグダッシュ「キツイ冗談ですな。」
シェーンコップ「冗談ではないさ。」
ヤン(富山敬)「私はメルカッツ提督を信じる事にする。そして私の力の及ぶ限り、その権利を擁護する。帝国軍の宿将と言われた人が私を頼ってくれるというのだから、それに報いなければなるまい。」
ムライ(青野武)「どうしてもそうなさいますか?」
ヤン「私はおだてには弱いんでね。」

*バグダッシュ中佐は、同盟内乱の際にクーデターを起こした救国軍事会議に参加し、途中でヤン側に寝返った人です。
その為、彼を信用していないメンバーも結構居ました。(笑)
バグダッシュは、諜報関係が専門の様でした。

***

ヤン(富山敬)「メルカッツ提督でいらっしゃいますね?ヤン・ウェンリーと申します。お目にかかれて嬉しく思います。」
メルカッツ(納谷悟朗)「敗残の身を閣下にお預けします。私の身はともかく、部下達には寛大な処置をお願いします。」
ヤン「良い部下をお持ちの様ですね。
何にせよ、ヤン・ウェンリーがお引き受け致します。ご心配なさらずに。」

***

悟朗さん、渋さが爆発していました。(笑)
リップシュタット戦役では沖田&ドメル対決が見られましたが、この回では、いよいよ古代君との直接対話が登場しました。
沖田、古代、真田、加藤、ナレまで大集合して楽しかったです。

*ヤマトネタです。済みません。(苦笑)
沖田/メルカッツ:納谷悟朗、ドメル/ブラウンシュヴァイク公:小林修
古代/ヤン提督:富山敬、真田/ムライ:青野武、加藤/バグダッシュ:神谷明
ナレ/シェーンコップ:羽佐間道夫

ドメルの部下が五エ門(井上真樹夫氏)だったとか、言い出したらキリが無くなるので、辞めておきます。(爆)

それから前半のストーリーはあまり分かりませんでしたが、池水氏や広瀬氏、良かったです。
知っている声ですが、普通に聞いて自分では良く分からない方達なので参考になりました。(主役級でないベテランの方の声、良く聞きますが、お名前と声が一致していない方が沢山いらっしゃいます。お許し下さい。土下座)

***

キャスト

ヤン:富山敬
フレデリカ:榊原良子
ユリアン:佐々木望

グリーンヒル:政宗一成
リンチ:広瀬正志
エベンス:池水通洋
ブロンズ:水鳥鉄雄

ビュコック:富田耕生
シェーンコップ:羽佐間道夫
ムライ:青野武
キャゼルヌ:キートン山田
バグダッシュ:神谷明
マシュンゴ:中尾隆聖
ブルームハルト:難波圭一

メルカッツ:納谷悟朗
シュナイダー:目黒裕一

トリューニヒト:石塚運昇
ナレーション:屋良有作

***

*次回は第38話「矢は放たれた」をご紹介します。



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銀河英雄伝説 第23話 その2

2006-06-19 | 銀河英雄伝説
続きです。その1よりお読み下さい。

***

ガイエスブルグが制圧された時に、ファーレンハイト提督も引き立てられて行きましたが、ラインハルトに目通ると、その場で許され、他の提督達の末席に加わっています。
メルカッツ提督も、帝国に残れば、そういう機会もあったのでしょうか?
でも、ゴールデンバウム王朝に最後まで仕えるのが自分の務めだと仰って、それを見事に果たされ、その後でラインハルトの下へ戻る事は絶対に不可能だったと思います。
提督ご自身「武人としての恥を知っている」と仰っています。
やはり主義の問題であり、この後でラインハルトの家臣になると言うのは、有り得ない事だと思いました。
メルカッツ提督、静かながら存在感ありすぎで、サスガ悟朗さんです!!!(笑)

フレーゲル男爵(二又氏)は周りは迷惑だったでしょうが、本人は自分の信念を通したので、それはそれで天晴れ(?)だったと思いました。
アンスバッハ(井上真樹夫氏)も後で、同じ運命を辿ります。
一番どうしようもなかったのが、ブラウンシュバイク公。最後が情けなくて・・・。(苦笑)
我が儘、尊大、自己中心的な人物でしたが、小林修氏、熱演されていました。

*それから1つ疑問??
ガイエスブルグは既に陥落していた様に思うんですが、ブラウンシュヴァイク公はどうやって戻ったんでしょう???メルカッツ提督も戻らなかったのに・・・。
ブラウンシュヴァイク公、堂々と旗艦ベルリンで乗りつけたら、その場で逮捕(??)じゃないんでしょうか?(笑)

***

キャスト

ラインハルト:堀川亮
キルヒアイス:広中雅志
オーベルシュタイン:塩沢兼人
ロイエンタール:若本規夫
ミッターマイヤー:森功至

ブラウンシュバイク:小林修
メルカッツ:納谷悟朗
アンスバッハ:井上真樹夫
ファーレンハイト:速水奨
フレーゲル:二又一成
シュナイダー:目黒裕一

メックリンガー:土師孝也
シュタインメッツ:石丸博也
フェルナー:堀内賢雄
シューマッハ:中田譲治
ハウプトマン:掛川裕彦
ナレーション:屋良有作

***

(注1)この部分のセリフです。

ファーレンハイト(速水奨)「メルカッツ提督。閣下も出撃なさるのですか?」
メルカッツ(納谷悟朗)「うん」
ファーレンハイト「何ゆえですか?無謀の出戦である事はご承知のはずです。」
メルカッツ「わしは四十年以上も武人として、ゴールデンバウム王朝にお仕えしてきた。それが滅びるなら、せめて命運を共にするのが最後の勤め。どうも我ながら不器用な事だ。」
ファーレンハイト「閣下。」
メルカッツ「ファーレンハイト中将。卿はまだ若い。滅びゆく王朝に殉ずる事はあるまい。生きられよ。生きて武人としての生を全うされよ。」
ファーレンハイト「メルカッツ提督。」
メルカッツ「さらばだ。もう会う事もあるまい。」

メルカッツ、シュナイダー、そしてファーレンハイトは敬礼して別れを告げた。
後に回廊の戦いで、敵として会い見まえた時、ファーレンハイトが「この戦法、メルカッツ提督か。よろしい本懐である。」と言っていました。
そして、ファーレンハイトの戦死を知ったメルカッツ提督は、喪に服されました。
メルカッツ提督とファーレンハイト提督は、お互いに尊敬の念を持っていた様です。

(注2)メルカッツ自害を止める、シュナイダー少佐とのシーンです。これも、そのままご紹介します!(著作権侵害の意図はありません!!)

シュナイダー(目黒裕一)「お止め下さい。どうかお命を大切に。」
メルカッツ「シュナイダー少佐。」
シュナイダー「お許しを。もしやと思いまして、先ほど銃のエネルギーパックを抜いておきました。」
エネルギーパックを見せるシュナイダーに、提督は銃を置いた。
メルカッツ「こうなる覚悟はしていたが・・・それにしてもいつ抜き取ったのかね。まるで気がつかなかったが。」
シュナイダーは銃を充填してみせる。
メルカッツ「これは騙された。そうまでして、わしに死ぬなと言うのかね。」
シュナイダー「はい。」
メルカッツ「だがわしも武人としての恥を知っている。今さらローエングラム公に降伏するのも潔しと思えぬが。」
シュナイダー「ローエングラム公とて、全宇宙を支配した訳ではありません。この銀河にもローエングラム公の支配の及ばぬ所があります。そこでお命を保たれ、捲土重来をおはかり下さい。」
メルカッツ「亡命せよと言うのか?」
シュナイダー「左様です、閣下。」
メルカッツ「捲土重来と言うからには卿が勧める亡命先は、フェザーンではあるまい。」
シュナイダー「はい。」
メルカッツ「自由惑星同盟か。だがわしは四十年以上も彼らを反乱軍と呼んで戦い続けてきた。そのわしを彼らが受け入れるだろうか」
シュナイダー「ヤン・ウェンリー提督を頼りましょう。いささか変わってはいるが、寛容な人物だと聞いております。」
メルカッツ「ヤン・ウェンリーか。」
シュナイダー「駄目で元々ではありませんか。その時はわたくしもお供致しますから。」
メルカッツ「馬鹿な。卿は生きる事だ。まだ三十にもなっておらんではないか。卿の才能があれば、ローエングラム公とて、重く用いてくれよう。」
シュナイダー「ローエングラム公が嫌いではありませんが、わたくしの上官は閣下お一人と決めております。どうぞ閣下、ご決心下さい。」
メルカッツ「分かった。ヤン・ウェンリーを頼ってみよう。」

***

あと数回、「銀河英雄伝説」のご紹介を続けます。



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銀河英雄伝説 第23話 その1

2006-06-19 | 銀河英雄伝説
銀河英雄伝説 第23話「黄金樹(ゴールデンバウム)は倒れた」
役名:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ

苦戦するリップシュタット連合軍は、ガイエスブルグ要塞での篭城戦に備え、植民地からの搾取を強めた。が、民衆側も反抗の気運が高まっていた。
ブラウンシュヴァイク公(小林修氏)の領地ベスターラントでは、領主であるブラウンシュヴァイク公の甥、シャイド男爵がさらなる弾圧を加えたが、暴動が起き、男爵は民衆に殺された。

激怒したブラウンシュヴァイク公は、賤民どもに核攻撃を加えると言う。
忠実な家臣であるアンスバッハ准将(井上真樹夫氏)さえも仰天し、核兵器の使用は、人類が絶滅の危機に瀕した13日戦争以来のタブーのはず、首謀者を処罰すれば宜しいでしょう・・・と進言するが、ブラウンシュヴァイク公の暴走を止める事は出来そうもなかった。

アンスバッハは「ゴールデンバウム王朝はこれで終わった。自らの手足を切り取って、どうして立っている事が出来るだろう。」とつぶやく。
ブラウンシュヴァイク公はアンスバッハを逮捕する様に命じた。

ラインハルト(堀川氏)はベスターラントへ艦隊を派遣し、核攻撃を阻止しようとするが、オーベルシュタイン(塩沢氏)は、ブラウンシュヴァイク公に核の使用を実行してもらい、それを撮影して大貴族達の非人道性の証とすれば、支配下の民衆や平民出身の兵士達が離反するでしょうと進言する。
勝敗は既にほぼついているとは言え、ガイエスブルグ攻略の決め手に欠き、貴族連合軍が篭城して徹底的に交戦すれば、帝国軍には不利だった。
オーベルシュタインはこの機会を利用すべきと考えていた。

ラインハルトは、とにかく艦隊を派遣し待機させよと命令するが、決断はギリギリまで待つと明確な命令を下さなかった。

オーベルシュタインは、ラインハルトに核攻撃の時間を遅れて教え、それに先行して秘密裏に強行偵察艦を派遣した。
核兵器は使用され、ラインハルトが気付いた時には、全てが終わっていた。

辺境星域から戻ったシュタインメッツ(石丸氏)はラインハルトが政治宣伝の為に、故意にベスターラントへの核攻撃を見逃したとの噂があると、キルヒアイス(広中氏)に伝えるのだった。

核攻撃の模様は帝国全土に流され、民衆はラインハルトを支持する様になる。
貴族連合軍の支配下にあった植民星は一斉に離反した。
ガイエスブルグ内の兵士の脱走が相次ぎ、貴族や仕官からの投降者も続出した。

ガイエスブルグは完全に孤立し、ブラウンシュヴァイク公は最後の決戦に挑む。
が、ファーレンハイト中将(速水奨氏)は、要塞の利を生かして長期戦に持ち込み、敵の疲弊を待つべきが上策なのに、ここで出撃するとは、どういうお考えかと、反論する。
激怒したブラウンシュヴァイク公は、死を恐れる臆病者に用はない。真に帝国への忠誠厚き者はついて参れ!と叫ぶのだった。

出撃しようとするメルカッツに、ファーレンハイトは無謀の出戦である事はご存知なのに、何故出撃されるのですか?と問う。
メルカッツは、四十年以上も仕えてきたゴールデンバウム王朝が滅びるのなら、命運を共にするのが自分の最後の務めだと答えるのだった。
そしてファーレンハイトに、卿は生きて武人としての生を全うされよ、と言って別れを告げた。(注1)

フレーゲル男爵(二又氏)は、最後まで帝国貴族のプライドにしがみつくが、部下達に撃たれ「帝国万歳」と言って果てた。
シューマッハ大佐(中田譲治氏)らは、フェザーンに逃れると言う。

ガイエスブルグも制圧され、もはやガイエスブルグに戻る事は不可能になった。
メルカッツ提督は自害しようとするが、シュナイダーに止められる。
メルカッツ提督は「わしも武人としての恥を知っている。今さらローエングラム公に降伏するのも、潔しと思えぬが。」と言うと、シュナイダーは、亡命して捲土重来をおはかり下さいと勧めるのだった。
メルカッツは、ヤン・ウェンリー提督を頼って、自由惑星同盟へ亡命する事を決心した。
(注2)

やっとの事でガイエスブルグ要塞へ戻ったブラウンシュヴァイク公は、御前に控えたアンスバッハに、講和の用意をせよと言うが、アンスバッハの説得を受け、もはや自分が生き延びる道がない事を知る。
自分はどうなってもいいが、あの小僧(ラインハルト)が帝位に就くのだけは許せんと言うと、アンスバッハは「誓ってローエングラム公を地獄に落としてご覧に入れます。バルハラにてお待ち下さい。」と約束するのだった。(バルハラ=あの世の事らしいです。)

毒を用意していたアンスバッハだったが、いよいよ最期になると、全く潔くないブラウンシュヴァイク公だった。
アンスバッハに「最後の御当主として、どうか潔いお最期を」と、無理矢理毒を飲まされて果てた。

アンスバッハは「これでゴールデンバウム王朝は事実上倒れた。だが次に来るのがローエングラム王朝とまだ決まった訳ではない。」と、公爵との約束を忘れてはいなかった。

大貴族たちが引き立てられて行く中、ミッターマイヤー(森氏)とロイエンタール(若本氏)が「やつらの時代は終わった。これからは俺たちの時代だ。」と未来に希望を持つ。

***

その2に続く


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