徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

生命科学と金子みすゞ

2009-03-10 20:02:59 | その他
 先日、世界的に著名な分子生物学者・村上和雄博士の講演を聞いた。約90分の講演の中で、最も印象に残ったのが下記のくだりだ。こんな最先端の科学者の口から金子みすゞの名前が出てくるとは思わなかった。村上先生が突きとめようとしている世界と金子みすゞに見えていた世界は案外近いのかもしれない。

 人間は60兆の細胞からなっている。細胞は自分独自の働きをしながら、ほかの細胞を助けて、見事な調和を保っている。なぜこんなに見事な助け合いと調和ができるのか。お医者さんに聞くと必ず「自律神経がやっている」という。じゃあ自律神経を動かしているものは何なんだろうか。誰もわからない。わからないけれど、たしかに何かが働いているのだ。私はそれを「Something Great」と呼んでいる。つまり「何かわからないが偉大なもの」という意味だ。金子みすゞの詩に「見えないもの」という詩がある。誰にも見えないけれどたしかにあるもの、それが「Something Great」なのだ。



♫ 見えないもの ♫ (金子みすゞ)

ねんねした間(あいだ)になにがある。
うすももいろの花びらが、
お床の上にふりつもり、
お目めさませば、ふと消える。
だれもみたものないけれど、
だれがうそだといいましょう。
まばたきするまに何がある。
白い天馬がはねのべて、
白羽の矢よりもまだ早く、
青いお空をすぎてゆく。
だれもみたものないけれど、
だれがうそだといえましょう。

ブログあれこれ

2009-03-10 09:24:56 | その他
 gooブログが5周年を迎えたそうだ。僕がgooを利用し始めて4年経つが、その前にエキサイトを使っていた時期があるので、通算するとブログサービスを使い始めて5年くらいになる。さらにその5年くらい前からホームページを開いていて、不定期にコラムをアップしていたが、ブログを始めてからインターネットの存在感がガラッと変わった。簡単に言うと、基本的には毎日、何かしら情報をアップすることが前提となったのだ。gooブログの利用者が今、約120万人。ブログサービスの数は今や10や20は下らないから、日本だけでも総利用者数はいったいどのくらいになるのか検討もつかないが、毎日、膨大な量の情報がアップされていることになる。
 ブログの目的っていったい何だろう。ある知人は「有名人でもないのに自分の日記を公開して何の意味があるの?いったい誰がそんなもの読むの?」と侮蔑感を滲ませながら言う。そんな時、「こいつ、時代に乗り遅れている自分を認めたくないんだな。」と思いながらも、「人間には本能的に自己表現欲求というものがあり、IT時代の今日、その一手段としてブログは格好のツールなんだよ。」と切り返すことにしている。とは言いつつも、内心では自分の本当の目的は何だろう、と考えさせられるのだ。識者によれば、ブログの目的には大きく分けて二つあり、一つは自己表現であり、もう一つは他人とのコミュニケーションであると言う。人それぞれに利用目的は異なるだろうが、僕自身を振り返ってみると、どうも「自己表現>コミュニケーション」のようだ。これからも能力の続く限り、ブログを続けて行きたいと思っているが、いつの日か、それまでの記事を集大成して出版できるような形にならないかなというのが一つの夢だ。