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人間は60兆の細胞からなっている。細胞は自分独自の働きをしながら、ほかの細胞を助けて、見事な調和を保っている。なぜこんなに見事な助け合いと調和ができるのか。お医者さんに聞くと必ず「自律神経がやっている」という。じゃあ自律神経を動かしているものは何なんだろうか。誰もわからない。わからないけれど、たしかに何かが働いているのだ。私はそれを「Something Great」と呼んでいる。つまり「何かわからないが偉大なもの」という意味だ。金子みすゞの詩に「見えないもの」という詩がある。誰にも見えないけれどたしかにあるもの、それが「Something Great」なのだ。
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♫ 見えないもの ♫ (金子みすゞ)
ねんねした間(あいだ)になにがある。
うすももいろの花びらが、
お床の上にふりつもり、
お目めさませば、ふと消える。
だれもみたものないけれど、
だれがうそだといいましょう。
まばたきするまに何がある。
白い天馬がはねのべて、
白羽の矢よりもまだ早く、
青いお空をすぎてゆく。
だれもみたものないけれど、
だれがうそだといえましょう。