だいぶ前から噂では聞いていた中国映画「白い馬の季節」をやっと見ることができた。噂に違わぬ素晴らしい映画だ。干ばつによる沙漠化と近代化の波に押し流されていく内モンゴル自治区の蒙古族遊牧民一家の悲哀を、一頭の白い老馬の運命をモチーフに描いている。ニン・ツァイという人が監督・脚本・主演を務めているが、才能の非凡さを感じる。特に、一家が都会に移り住むことになり、野に放たれた老馬が、沙漠の中の舗装道路をとぼとぼとさまよい歩くラストシーンは秀逸だ。考えてみたら、外国の映画でこんな「腑に落ちる」映画を見たのは久しぶりのような気がする。今週末にはまた岡林立哉さんの馬頭琴&ホーミーライブを聴きに行く予定なのでちょうどタイミングもよかった。
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