海達公子の恋 2018-03-20 17:45:23 | 文芸 3年前、98歳で他界された岩本澄さんは高瀬高等女学校時代の公子の親友で、公子と一緒に過ごした高女時代の思い出を手記に残しておられる。そこには、公子の16年の短い一生でたった一度の恋も綴られている。公子の永遠の恋人ともいうべき教師・石塚菊二郎との出逢いと別れが、傍にいたものにしかわからない臨場感をもって記されている。 小学生の頃、北原白秋や若山牧水らから激賞された自由詩に比べ、あまり語られることのない高女時代の公子の短歌を二つご紹介したい。 ※上の写真は、昭和6年、江津湖で石塚先生や級友たちとボート遊びに興じる公子(右端) 棹させば 水藻ながるゝ川の面 雲雀のこゑも かすみてきこゆ(江津湖にて) 師の君の 土産は嬉し 佐渡人形 だらりの帯に 長き振袖 ※左の写真は、公子が大事にしていた石塚先生の出張土産の佐渡人形 ▼「海達公子まつり」 今年も荒尾市では、明日から公子の命日、3月26日へ向けて「海達公子まつり」が次のとおり開催されます。今年は没後85年になります。