
それはさておき、アメリカで最も古い歴史を持つニューハンプシャー州のグローバーズ・コーナーズという架空の町での物語。この劇は1幕から3幕まであり、1幕は町の成り立ちや歴史、そこに住む登場人物たちの紹介が行なわれる。2幕は、主役である新聞編集者の娘エミリーと隣りの医師の息子ジョージとのにぎにぎしく喜びに満ちた結婚式の日を描く。そして、3幕に入ると雰囲気がガラッと変わり、産褥で命を落としたエミリーの埋葬の場面となる。エミリーの霊が現れ、先立った義母や町の人々と会話を交わす場面になると、僕は「アレ!これは夢幻能なのか!」と思ってしまった。現世に未練が残るエミリーは無理を言って、自分の16歳の誕生日一日だけ戻ることを許されるのだが・・・
主役のエミリーを演じたのぞみさんの感性豊かな演技は素晴らしかった。またエミリーの義妹を演じためぐみさんの安定感のある芝居には感心した。


のぞみ・めぐみ姉妹
【P.S.】
のぞみさんのセリフの中に「ルイジアナ・パーチェス」が出てきて、小学生のころ見た映画「遥かなる地平線(1955)」を思い出して懐かしかった。西部開拓史上有名な、メリウェザー・ルイスとウィリアム・クラークによる「ルイジアナ・パーチェス」探検を描いた冒険活劇的な西部劇である。