徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

梅あれこれ

2023-02-17 22:34:45 | 文芸
 紅梅にあはれ琴ひく妹もがな(漱石 明治29年)

 この年の4月に熊本へ赴任する直前、松山の愚陀仏庵での漱石の作品。
 漱石の梅の句の中で僕が最も好きな句。早春にしみじみとした趣の琴の音が聞こえてきて、それを奏でているのが愛しい人であればなぁという意か。また、琴も漱石の得意な題材で、実際に琴の音が聞こえてきたのかどうかわからないが、琴の音にまつわる原体験があったのかもしれない。

 わが家の白梅は例年よりだいぶ遅れたが今年も咲いた。今日は暖かかったので梅の名所の開花状況を見てみようと出かけた。西松尾町の小田部さん宅のしだれ梅はまだ開花が始まったばかりのようだ。例年よりもかなり遅れている。見ごろまでにはまだだいぶ日数がかかりそうだ。谷尾崎梅林公園も全体的には五分までも行っていない印象だった。


谷尾崎梅林公園の紅梅