徒然なか話

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寄進碑から歴史を読む

2020-09-20 22:50:10 | 歴史
 本妙寺大本堂の門前に10本の寄進碑が建ててある。いつもは胸突雁木へ向かって通り過ぎるだけだが、今日、ちょっと刻まれた文字をじっくり読んでみようと思った。向かって一番左端の九州産交の寄進碑以外は、明治42年の加藤清正三百年忌の時のもののようだ。おそらく寄進額の大きいものをここに建ててあるのだろう。寄進者は熊本市長を始め多士済済である。陸軍関係者や遊郭関係者、細川家関係など。一本一本読んでいくと当時の熊本の社会背景が見えてくるから面白い。ちなみに寄進額を今日の価額に換算してみた。何を基準にするかでだいぶ異なるが、1円を4,000~5,000円として換算すると壹千圓というのが400~500万円とみていいかもしれない。

  • 熊本市代表者 熊本市長 辛島格 参千六百五拾圓 (第3代熊本市長。辛島町の由来)
  • 兵庫県神戸市 品川源兵衛 壹千五百圓 (質や両替商として財を成した資産家)
  • 東京歌舞伎座 大河内輝剛 壹千貮百圓 (歌舞伎座社長、政治家)
  • 熊本 塩山仙蔵他三名 四菩薩造立費 壹千圓 (資産家?)
  • 二本樹町 竹下彌次郎 鐘楼堂新築費 壹千圓外現金百円 (資産家、遊郭関係?) 
  • 第六師管在職将校同相當官以下一同 壹千圓 (陸軍第六師団関係者)
  • 二本樹町 倉岡幸作 黒門新築費 千三百九拾五圓 (妓楼幸楼の楼主)
  • 東京 侯爵 細川護成 壹千圓 (熊本藩第12代藩主細川護久公の子)
  • 神戸多門通 品川源兵衛 壹千圓 (上記同名者と同人物)
  • 九州産業交通株式會社 玉垣寄進

 


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