徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

歌舞伎や日本舞踊の伴奏音楽としての 「鼓」

2016-03-09 23:38:22 | 音楽芸能
 右の写真は、古写真に登場する美人の中では最も人気が高いといわれている一枚で、明治時代に活躍した写真家、玉村康三郎(たまむらこうざぶろう)が撮影した「鼓を打つ芸奴」という写真である。右肩にのせた小鼓(こつづみ)、左ひざの上の大鼓(おおつづみ)、そして床の台の上の太鼓(たいこ)の三つの鼓を一人で操ろうと構えているポーズである。100年以上も前の女性とは思えない現代風の顔立ちが人気の秘密らしい。
 それはさておき、今日、歌舞伎や日本舞踊の伴奏音楽として、鼓が使われるのは当たり前になっているが、実はこれ、歌舞伎の創始者といわれる出雲阿国が、今日の歌舞伎や日本舞踊のルーツである「かぶき踊り」能楽の様式を持ち込んだからである。能楽では古くから「四拍子」すなわち、小鼓、大鼓、太鼓、笛(能管)が使われていた。阿国の時代には、後の時代に主役となる三味線は入って来てはいたが、「かぶき踊り」の伴奏音楽は鼓、笛、鉦などであったことが「阿国歌舞伎図屏風」などを見てもわかる。
 そんな歴史に思いを致しながら、邦楽演奏を聞いているといっそう味わい深いものがある。

▼阿国歌舞伎の地方(じかた)



▼今日の歌舞伎音楽


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