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それはさておき、今日、歌舞伎や日本舞踊の伴奏音楽として、鼓が使われるのは当たり前になっているが、実はこれ、歌舞伎の創始者といわれる出雲阿国が、今日の歌舞伎や日本舞踊のルーツである「かぶき踊り」に能楽の様式を持ち込んだからである。能楽では古くから「四拍子」すなわち、小鼓、大鼓、太鼓、笛(能管)が使われていた。阿国の時代には、後の時代に主役となる三味線は入って来てはいたが、「かぶき踊り」の伴奏音楽は鼓、笛、鉦などであったことが「阿国歌舞伎図屏風」などを見てもわかる。
そんな歴史に思いを致しながら、邦楽演奏を聞いているといっそう味わい深いものがある。
▼阿国歌舞伎の地方(じかた)
▼今日の歌舞伎音楽