どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

河童の話

2019年03月01日 | 昔話(日本)

     いまに語りつぐ日本民話集11/笑い話・世間話/野村純一・松谷みよ子・監修/作品社/2002年


 天狗と河童は、ほかの国にはみられないキャラクターです。

 「河童と妙薬」は大分での伝説なのかも。

 武士の妻が厠に入っていると、冷たい手でお尻をなでられ、二回目にさわられたとき、用意していた懐剣で切り取ります。
 持ち帰って寝所に伏していると、河童がやってきて、手をかえしてくれという。どうすればつながるかとたずねると、妙薬があるといいます。
 手を返してくれたなら「骨接ぎの法」を知らせるという。骨接ぎの法は「一子相伝の薬」として、ほかの家にはつたえなかったいう。
 ところが岡田なにがしに伝えられ、大正時代まで岡田家には骨接ぎの薬があったという。


・河童の接骨法伝授
 福岡の方の報告とありました。

 「妙薬」とおなじように、才媛の誉れ高い細君が、雪隠にはいっていると、臀部をぺろりと撫でられます。翌晩には脇差を用意し、手を切ってしまいます。
 すると夜に河童がやってきて手をかえしてくれという。「接骨法」とひきかえに手を返します。
 その家では、河童の接骨法をそのまま応用して、いわゆる一子相伝の療法を開いたという。

 河童にとって、女性のお尻は、よほど魅力的だったのかも。

 ところで、河童のたからものは、なんでしょうか。
 「かっぱの宝もの」では、おばあさんが、河童に親切にしてやると、はいると、どこでも自分の見たい町に行けるという袋がでてきます。(熊本)

 上記は九州のものですが、山形の「河童の手」が、東北文教大学短期大学部民話研究センター民話アーカイブにものっていました。(東北文教大学短期大学部民話研究センター 〒990-2316 山形市片谷地515)


ここが家だ

2019年03月01日 | 絵本(社会)


    ここが家だ/構成・文:アーサー・ビナード ベン・シャーン・絵/集英社/2006年


 65年前の3月1日マーシャル諸島のビキニ環礁で、アメリカの水爆実験の放射能をあびたマグロ漁船第五福竜丸。
 見てはいけないものを見て、無線で助けを呼ぶこともできなかった福竜丸。

 久保山さんの「原水爆の 被害者は わたしを 最後にしてほしい」というメッセージが生かされていない現状。

 カラーのページもありますが、黒の線画が特徴的で、淡々と事実をおっています。

 「わすれるのを じっと まっている ひとたち」もいますが、海もマグロも、畑もおぼえています。