いまに語りつぐ日本民話集11/笑い話・世間話/野村純一・松谷みよ子・監修/作品社/2002年
天狗と河童は、ほかの国にはみられないキャラクターです。
「河童と妙薬」は大分での伝説なのかも。
武士の妻が厠に入っていると、冷たい手でお尻をなでられ、二回目にさわられたとき、用意していた懐剣で切り取ります。
持ち帰って寝所に伏していると、河童がやってきて、手をかえしてくれという。どうすればつながるかとたずねると、妙薬があるといいます。
手を返してくれたなら「骨接ぎの法」を知らせるという。骨接ぎの法は「一子相伝の薬」として、ほかの家にはつたえなかったいう。
ところが岡田なにがしに伝えられ、大正時代まで岡田家には骨接ぎの薬があったという。
・河童の接骨法伝授
福岡の方の報告とありました。
「妙薬」とおなじように、才媛の誉れ高い細君が、雪隠にはいっていると、臀部をぺろりと撫でられます。翌晩には脇差を用意し、手を切ってしまいます。
すると夜に河童がやってきて手をかえしてくれという。「接骨法」とひきかえに手を返します。
その家では、河童の接骨法をそのまま応用して、いわゆる一子相伝の療法を開いたという。
河童にとって、女性のお尻は、よほど魅力的だったのかも。
ところで、河童のたからものは、なんでしょうか。
「かっぱの宝もの」では、おばあさんが、河童に親切にしてやると、はいると、どこでも自分の見たい町に行けるという袋がでてきます。(熊本)
上記は九州のものですが、山形の「河童の手」が、東北文教大学短期大学部民話研究センター民話アーカイブにものっていました。(東北文教大学短期大学部民話研究センター 〒990-2316 山形市片谷地515)
ここが家だ/構成・文:アーサー・ビナード ベン・シャーン・絵/集英社/2006年
65年前の3月1日マーシャル諸島のビキニ環礁で、アメリカの水爆実験の放射能をあびたマグロ漁船第五福竜丸。
見てはいけないものを見て、無線で助けを呼ぶこともできなかった福竜丸。
久保山さんの「原水爆の 被害者は わたしを 最後にしてほしい」というメッセージが生かされていない現状。
カラーのページもありますが、黒の線画が特徴的で、淡々と事実をおっています。
「わすれるのを じっと まっている ひとたち」もいますが、海もマグロも、畑もおぼえています。