おじいちゃんがおばけになったわけ/キム・フォップス・オーカソン・文 エヴァ・エリクソン・絵 菱木 晃子・訳/あすなろ書房/2005年
大好きなおじいちゃんとの突然のわかれ。おじいさんが心臓発作でなくなったのでした。
死んだらどうなるの?」エリックが小さな声で聞くと、ママは「天国へ行くのよ。」パパは「土になるんだ。」といいますが、どうもぴんときません。
その夜、死んじゃったはずのじいじがエリックの部屋にいます。
「じいじは、おばけになったんだね?」と、壁を通りぬけようエリックがいうと、おじいさんは、ほんとうに壁をとおりぬけます。
次の夜も、おじいさんがエリックの部屋にやってきます。
エリックが、本によると「この世に忘れ物がある人はおばけになる」と書いてあるよ。じいじ、何か忘れている事があるんじゃないの?」と、きくと、おじいさんは「そいつがわかればなあ」とため息をつきます。
それから夜は、二人で忘れ物さがしがはじまります。
じいじの家にいくと、小さかったころのこと、おばあさんとであったこと、エリックのパパのことを思い出します。
でもまだなにか忘れているものが。
次の夜は、工場で働いていたこと、ノリウエーの島まで遊びに行ったこと
でもまだ忘れていることが。
それは孫のエリックとの思い出。遊園地にいったこと、サッカーでチューリップをめちゃくちゃにしたこと、アメがのどのつまりそうだったこと、おじいちゃんが「おしりのうた」をうたってくれたこと。
おじいちゃんとエリックの長い夜がおわります。夜、おじいちゃんと一緒だったので学校をやすんでいたエリックでしたが、いつもの生活にもどります。
突然の死だったので、おじいちゃんはエリックに、さよならをいうのを忘れていたのです。
誰にでもやってくる死。個人的に残り少ない人生になったいま、忘れ物がないか自問しました。