いまに語りつぐ日本民話集11/監修:野村純一・松谷みよ子/作品社/2001年
昔話では、継子のいじめかたもさまざまです。「あの手この手のいじめかた」で紹介されている話。
・米埋め籾埋め(岡山)
自分の子はお米の中に寝さし、継子の方は籾の中に入れて寝かせた継母。
翌日起きてみると、籾の中に寝ていた子は、にこにこ。
お米に寝ていた子は、米が冷たいので、凍えて死んでしもうたと。
・毒入りにぎり飯(沖縄)
珍しくにぎり飯をこさえ、遊びに行っておいでという継母。
いつも、いじめられていた継子が、母親は本当はやさしいのかもしれないと思いながら、隣の婆さんにわけを話すと、「わけありなら、にぎり飯をスズメに食わしてみなさい」といわれ、庭にまくと、つっついたスズメは死んでしまいます。
継子は食べなかったことに安堵し、どこへともなく旅に出かけていきます。
・継子の機織り(沖縄)
機織りで難しいのは最初と最後の「締め布」。継子には、この部分、自分の子には布中という比較的やさしい織をさせていた継母が、布を織らせると、継子の方はきれいに仕上がったが、実子の方はうまくいかない。
継母は教えかたが間違っていたと気づきます。
こいぬとこねこのおかしな話/ヨゼフ・チャベック・作 木村有子・訳/岩波少年文庫/2017年
こいぬもこねこも十月二十八日がどんな日か知りませんが、町では旗をかざって、みんなにこにこして、とても幸せそうです。
楽しそうで、満足している人は、ほかの人にも、動物にもやさしくなります。
みんなやさしく楽しそうになるんだったら、じぶんたちも旗を飾って、おいわいを盛り上げようとします。
ちいさい子どもを連れて店で買い物をすると旗をくれるというので、こいぬとこのこは、かわりばんこに赤ちゃんのふりをして、何度もおみせにでかけ、手に入れた旗を屋根にかざります。
十月二十八日、家の前をとおりかかった人たちは、みんな、こねことこいぬの家のかざりつけを気に入ってくれます。
たしかに、楽しく満足していれば、人にも動物にもやさしくなれますね。
1918年十月二十八日はチェコスロバキア共和国の独立宣言の日。(1992年チェコとスロバキアは分離します)
この話が、検閲で長い年月 削除されたと聞くとびっくりです。