ぼくのちいさなせんちょうさん/クラウディオ・ムニョス:作・絵 山口 文生・訳/評論社/2000年
少年は船が大好きで、ある日市場で古い帆船をみつけます。
おばあちゃんにもてつだってもらい、色を塗って帆を取りつけるとまるで新品。流星丸って名前をつけます。
そして、おじいちゃんがつくってくれたのは、木彫りの船長さん。
川に帆船を浮かべていると、カモメがとんできます。
カモメと船長さんがなにかはなしているように見えます。
すると帆船はカモメをおって急に走り出します。川をどんどん下り、嵐の海に出て、波にもまれる小船へ。
小船には遭難した女の人が乗っていました。
おもちゃの船の船長は、船室にとびこみ、こわれた無線機を治しSOSを発信しますが、船長は足をはさまれて無線機の中からにげだせなくなります。
遭難した女の人は無線連絡をうけて助け出されますが、船長はどうなったのでしょう。
流星丸は、テレビのインタビューにこたえている女の人がかかえていました。おじいちゃんの電話で、船は無事に少年のもとにもどりますが・・・。
子どもがわくわくするような絵本です。
世界の猫の民話/日本民話の会・外国民話研究会/ちくま文庫/2010年
オーストリアとドイツのほぼ同じ昔話。どちらも舞台は粉屋。
(オースオリア)
粉屋のところに働かせてとやってきた若者。粉屋の心配は、徒弟を粉ひき小屋で寝かせると、きまって次の日は死んでしまうということ。
こわいもの知らずという若者が、粉ひき小屋でどんな妖怪があらわれるかと目を凝らしていると、やってきたのは猫。
猫のしっぽをつかむと遠くまで放り投げます。
次の日もやってきた猫。若者は釜で猫の前足を切り落としてしまいます。
粉屋が様子を見にやってくると、若者は前足を見せます。
おかみさんが食事を仕度する気配がないので、粉屋がおかみさんのところにいってみると、おかみさんの手がなくなっています。
猫は、かみさんだったいうのが二人の結論でした。
(ドイツ)
粉屋の主人が職人を雇うたびに、最初の晩に息が止められしまうという不思議な目にあっていました。
旅の粉屋職人がやってきて、どうしても、ここで働くと言い張ります。
粉屋職人が小麦粉でおかゆをつくり、まっていると黒猫がやってきます。それも十一匹。おかゆをふりかけ撃退しますが、さらに、もう一匹黒猫が。
おかゆがなくなっていたので、職人は猫の前足を切り取ってしまいます。
次の日、主人が心配しながらやってくると、職人は前足、それは人間の手だったのですが、その手をみるとなんと妻の手だったのです。
どうやら妻は魔女。ほかの十一匹は協力者でした。
なぜ、魔女は猫の姿であらわれるのでしょうか。