みえるとかみえないとか/ヨシタケ シンスケ・作 伊藤亜紗・そうだん/アリス館/2018年
表紙に「伊藤亜紗そうだん」とあるのが珍しかったのですが、付録についている絵本ができるまでの小冊子をみて納得。大学の先生で「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を書かれています。
見えない人は、においや音などを「みて」行動しているという。いつも同じ時刻に白杖で歩いている人と出会うのですが、歩くスピードや曲がり角を歩行するのも、白杖がなければみえないということに全く気がつきません。
今では、時刻の確認は音声時計や、蓋を開けて針に触れることで時刻を確認できる腕時計、振動で時刻を教えてくれる時計もあり、スマートフォンの音声応答機能で、時刻を確認することができます。
どうして調理をしているかの疑問には、調味料や料理道具を置く場所を決めておくこと、
また、調味料によって入れ物の形を変えたり、目印となるものを貼り付けておくといった工夫、調味料が一度に一定の分量だけ出てくるような構造の調味料入れもあるといいます。
お金の支払い。銅貨は縁のギザギザ、紙幣はお札の右下についているマークを触ることでわかる工夫がされています。
めがみえないと色の識別も、あらかじめ洋服の色や組み合わせを確認してもらいタグをつける工夫もあるという。
目が見えないのはハンディキャップとすぐに考えてしまいますが、はじめから目が見えないとそれが当たり前。こうした人たちをサポートする仕組みも、さまざまに工夫されているというのも、この絵本を通じて確認することができました。
ヨシタケさん、宇宙飛行士の調査を通じて、「あたりまえ」のことを考えさせてくれました。目が三つだけでなく、うしろに目がある宇宙人を登場させます。うしろに目がある人にとって、前しか見れない人は不便だろうなと同情され、手が四本ある宇宙人には、手が二本しかなくてやはり同情される。違いがあるのを前提にすると、見え方や感じ方がちがってきても不思議ではありません。
「みんなちがって みんないい」という視点に立つと「自分と違う人とでも、お互いの工夫や失敗、発見を教えあったら、みんな「へー!」ってなる」「おなじところを さがしながら、ちがうところを おたがいにおもしろがればいいんだね」になるかな?。