もしものせかい/ヨシタケシンスケ/赤ちゃんとママ社/2020年
「もしも あれが うまくいってたら」「もしも あちらを えらんでいたら」「もしも あのひとが そばにいたら」には思い当たることも多い。だが、過去のものとおもっていると、どちらかといえば現在に軸足をおいているようです。
具体的なものはでてこないので抽象的な思考が必要です。
「いつものせかいから もしものせかいに あるばしょが、いるばしょが かわるだけ」「きみのみらいに なるはずだったものが、そこには みんなある」「いつものせかい」と、「もしものせかい」。二つのせかいを 「ゆっくり、ゆっくり」「だいじに、だいじに」「おきく おおきく 」「たのしく たのしく、していこう」と結ぶのですが・・。
現在はいくつもの選択肢から、一つを選ぶ連続。ただいくつもの選択肢がテーブルに乗っているかは疑問です。そして、その人がおかれた状況によっても「もしも」の世界もかわります。
「もしも」の世界は、これまで切り捨ててきたものの集合体とおもっていたら、そうではないのでは?という問いかけに ぎょっと しました。