どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

もしものせかい

2022年04月22日 | ヨシタケ シンスケ

     もしものせかい/ヨシタケシンスケ/赤ちゃんとママ社/2020年

 

 「もしも あれが うまくいってたら」「もしも あちらを えらんでいたら」「もしも あのひとが そばにいたら」には思い当たることも多い。だが、過去のものとおもっていると、どちらかといえば現在に軸足をおいているようです。

 具体的なものはでてこないので抽象的な思考が必要です。

 「いつものせかいから もしものせかいに あるばしょが、いるばしょが かわるだけ」「きみのみらいに なるはずだったものが、そこには みんなある」「いつものせかい」と、「もしものせかい」。二つのせかいを 「ゆっくり、ゆっくり」「だいじに、だいじに」「おきく おおきく 」「たのしく たのしく、していこう」と結ぶのですが・・。

 現在はいくつもの選択肢から、一つを選ぶ連続。ただいくつもの選択肢がテーブルに乗っているかは疑問です。そして、その人がおかれた状況によっても「もしも」の世界もかわります。

 「もしも」の世界は、これまで切り捨ててきたものの集合体とおもっていたら、そうではないのでは?という問いかけに ぎょっと しました。


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