どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

たいようまでのぼったコンドル・・アンデス

2018年06月07日 | 絵本(昔話・外国)


   たいようまでのぼったコンドル/乾 千恵・文 秋野 亥左牟・絵/福音館書店/2010年

 

 むかし、アンデスの山々をのぞむ高原にチャスカという、むすめがいました。

 ある日、チャスカはしろいリャマを見失います。風がにわかに強くなり、雪も降ってきました。
 そのとき、一人の若者が「わたしがさがしてくる」といって、山にほうへと歩いていきます。
 若者は、リャマを崖の下に発見します。それから二人は一緒に過ごすようになりますが、マユクというわかものは、自分のことはくわしく話しませんでした。

 チャスカはマユクを家族に紹介しますが、どこのだれだかわからず、とうさんはマユクのあとをつけます。
 すると若者はコンドルの姿となって飛び去って行きます。
 お父さんは、マユクにむかって、人間でないものを、むかいいれることは、わしらにはできない。もうむすめにはあわないでくれといいます。

 マユクを愛していたチャスカは、悲しみのあまり病気になってしまいます。そのとき、おじいさんが「太陽の神さまのインテイが、いのちをもたらす花をもっておられる。その花があれば、むすめの病気はなおるだろう」といいます。
 とうさんが「太陽までなんて、だれがいけるもんか」とさけぶと、マユクがあらわれていいます。「わたしがいきましょう」

 そしてマユクは、太陽を目指して、上へ上へとのぼっていきます。
 もちろん、命の花を手に入れたマユクは、はれてチャスカと、一緒にくらせることになります。

 民族衣装が素敵で、アンデスの暮らしがあらわれているようでした。

 コンドルが太陽に向かうとき、タカにおそわれたり、羽も体もやけこげながらも、力をふりしぼる様子に、おもわず頑張れといいたくなりました。

 また太陽の神さまも、コンドルのイメージで、とてもユニークです。

 NHK日曜美術館で秋野 亥左牟さんがとりあげられていました(2019.11.24)。自分の生き方を貫いた方でした。


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