Mars&Jupiter

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クラシックでキレないで、ほどほどに、そしてハンス・ロットの交響曲ホ長調

2007-03-16 21:45:50 | 古典~現代音楽オーストリア編
今日の朝日新聞夕刊の記事で、最近クラシックの演奏会で、
観客の咳やパンフレットをめくる音などに反応し、
抗議しようとしてキレる客が多くなっているという記事を見た。

私は今でも忘れないがバーンスタインが来日した時に、
渋谷のNHKホールに聴きに行った思い出がある。

ある人の記録からするとそれは1985年の9月上中旬の演奏会で、
バーンスタインイスラエル・フィルを指揮し、
マーラーの交響曲第9番のみを演奏した日のことである。

この時私は13000円の席のチケットを予約し、意気込んでいった。
曲の途中オケの乱れがありハラハラさせたものの、
感動的な演奏であったことには違いない。


しかし、4楽章の弦が静かに演奏するところで
ズガガガガガ~っと大きないびきが私の座っていた席の
確か4・5列前あたりの位置から聞こえてきたのである。

50代くらいの人が完全に寝入っていた。
やめてくれ~と叫びたい自分がここにいる。

頭の中で分単位で計算し、→それは約200円くらいかな?
今この聴いている1分はいくらなのかと考えてしまう。

いらいらはするが、どうしようにもできない。
その場でキレてもしかたがないので何もしなかった。

今考えれば、その人は心地よく音楽を聴いているのだ。
その人にとって最高の時間だったのだと思いたい。

さて、今日は横浜から和田町まで歩いた。
聴いた曲はハンス・ロットの交響曲ホ長調である。

若くして亡くなったこの作曲家の交響曲を聴くと、
随所にマーラーの交響曲っぽいところを見つける。
第1番から第3番の交響曲にでてくる箇所と似た部分が多いのだ。

特に第3楽章はマーラーの交響曲第1番第2楽章に似ており、
レントラー舞曲っぽいところは類似している。

また、ブルックナーの和声的響きに似た箇所もある。
また、第4楽章の主題はブラームスの交響曲第1番の
終楽章の主題の感じに似ている。

若いロットはこの交響曲を演奏会で取り上げてもらうために、
ブラームスに支援を求めたが見放され、
ヴァグナー指揮者のハンス・リヒターにも見放された。

それが彼に精神的なダメージを与え、
25歳の若さでこの世を去ったのである。

ロットはのちに車中で発狂し、拳銃を振り回しながら
「ブラームスがこの車両をダイナマイトで一杯にした」と叫んだそうだ。

彼の心の中には周囲の人への不信感と
自分では解決できない怒りがたまってしまったのだろう。
うーん、どうしてほどほどに考えられないのかなあ。
コメント
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