ヤーン・ラーツの弦楽のための協奏曲作品16を聴く

ここのところの猛暑で、ウォーキングはお休みしています。
今回取り上げるのは1932年エストニア生まれの作曲家ラーツの作品で、
1961年に作曲された弦楽のための協奏曲作品16である。
ヤーン・ラーツはタリン音楽院で学び、1957年卒業したあと、
放送局の仕事に就き、エストニア・ラジオのプロデューサーや、
エストニア・テレビの音楽監督を務めた。
その後エストニア音楽院で1990年から教授を務めている。
５楽章による弦楽のための協奏曲作品16は、
交響曲第４番と交響曲第５番の間の時期に作曲されたようだ。
今回聴いたＣＤはルドルフ・バルシャイ指揮、
モスクワ室内管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロは、軽快なリズムに乗って、
ヴァイオリンと低弦との掛け合いが疾走感のある音楽を作っている。
第二楽章アンダンテは、ゆっらりとしたテンポの中、
ヴァイオリンが奏でていく旋律は徐々に情熱的となり、
力強くこちらに訴えかけてくるような部分がある。
盛り上ったあとは、おだやかな感じになり最後静かに終わる。
第三楽章アレグロは、軽快なテンポで滑稽な感じの旋律が奏でられていく。
追い立てられるような感じで、最後力強く終わる。
第四楽章グラーヴェは、ゆったりとしたテンポの中、
叙情的な旋律が奏でられていき、ドラマティックに盛り上って終わる。
第五楽章アレグロは、軽快なテンポでおどけたような旋律が奏でられる。
第一楽章のように疾走感のある躍動的な音楽であり、
ショスタコーヴィッチ風な部分も感じさせる。
最後はユニゾンで力強く旋律を奏でて終わる。