黒の効果

2009-06-02 16:25:39 | アート・デザイン・建築

「小野さんって、黒い色をよく使いますよね」
何回かこんな言葉をかけてもらったことがあります。幸いにも良い意味で言っていただくことが多いようなのですが、たしかに、僕がデザインする建物には必ず、ガツンと黒い部分が現れることがほとんどです。それは床だったり壁だったり、階段だったりキッチンだったり、表し方はいろいろなのですが、割合と思い切った使い方をします。そういえば、前回のブログの印西爽居の写真でも一部、黒い壁が見えています。今回の写真は、これまでで最も多く黒をつかった住宅「自由が丘の家」の中庭。最近の雨続きのなかで撮った一枚。

090602_3


黒い漆喰塗りの壁。同じように黒い漆喰が塗られた列柱。その周囲に広がる緑の鮮やかさ、そして闇。雨の日には特に、独特の静けさに包まれます。きっと全部白く塗られていたら、そんな雰囲気にはならないのかな、と思います。きっと僕が心のなかで大事にしたいと思っている空間の在り方には、どうしても黒い色が必要なのかもしれません。
緑を美しく切り取るフレームとしてだけでなく、どこか暗示的な雰囲気を漂わすものとして。

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