た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

無計画な死をめぐる冒険 137

2009年06月17日 | 連続物語
 「そんなに触りたいか」
 「追うな!」
 「形あるものに触れることは、形なきものに許されない。そう言ったはずだが」
 「戻れ! お前の巣に」
 「そうか。では、お前に形を取り戻してやろう」
 「何」
 思わず私が振り向く。振り向いたところに長い爪があった。鬼は私の首根っこを鷲掴みにすると、今度は地上へ猛烈な速度で引き降ろし始めた。
 見る見る東京の街が近づく。
 離せ、危ない、ぶつかる。これだけの言葉を口にするのが精一杯であった。次の瞬間には、私は枝葉を伸ばす松の巨木に思いきり叩きつけられた。
 
 激しい痛みを全身に感じた。痛み? 何と久方ぶりの感覚か! 私は歓喜にうち震えた。輪郭がある。私の確かな輪郭がある。現に照りつく日差しとさわやかな風を肌に感じているではないか。重みもある。自分自身の重みが。私は肉体を取り戻したのだ。しかし、何かが違う。
 身体がまったく動かない。立ったまま、歩くことも────歩こうにも、そもそも足がない。手を振り上げようにも────これは何だ、手の数が多すぎるではないか。手なのか、果たしてこれは。周囲を見回し、ようやく状況を悟り、私は愕然とした。我が身の幽体離脱に初めて気づいたときに勝るとも劣らぬほど、私は狼狽した。
 鬼はまさに、形あるものに私の魂を投げ入れたのだ。標的は狙い済まされていた。
 私は、大井町の私の家の、玄関の松になっていた。

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 138

2009年06月17日 | 連続物語
第五章


 人間と葦は違う。パスカルはいい加減なことを言った。
 人間は他の動物と同じく、感覚器と運動器官がある。passionとaction。受動と能動。生命活動というものを根本的に二つに分ける身体的要因である。世界を感じ取ることと、世界に働きかけること。どちらが欠けていても、われわれは生き物としての不具合を覚える。馬も羊も然り。虫けらやクラゲでさえ、おそらく然り。しかし植物は。植物は明白にそれらと異なる。植物は世界に働きかけない。植物は世界を感受する。風を感じ、光を見つめ、土の温かみを覚える。植物だって根を生やし、茎をのばし、花を咲かせるではないか。それは世界に対する立派な働きかけではないか、と吾人は言う。違う。私に言わせれば、全く違う。動ける者が世界に働きかけるとき、彼は世界を「客体」とする。世界は自己の彼岸にある。世界に働きかけるとは、自己の輪郭を動かし、即ち輪郭と触れる外界を操作し、詰まるところ、裾をまくり、素手を伸ばし、事物に触れて事物を動かす行為である。植物はなるほど成長する。しかしそれは事物を動かすためのものではない。植物の行為とは、せいぜい内部変化に留まるのであり、その意味において、植物の「行為」とは、もはや動物的な意味における「行為」ですらない。
 衒学的な言い回しをしてしまった。言い換えよう。絵でいい。一幅の絵でいい。自然を絵画に例えるならば、我々は、その絵と対峙し、絵を眺める瞬間がある。絵について感想を持つ瞬間がある。絵に筆を入れようと企てる瞬間さえある。だが一方で植物はしょせん、とこの「しょせん」を最大限強調して言いたいところだが、しょせん絵の一部でしかない。私は絵の一部になってしまった。手の代わりに枝葉があり、足の代わりに太い根がある。だが手も足もでないのは字句通りである。かつて人間だった私の精神が私の精神として残存する限り、動物のように世界を眺めることはできる。しかしそこまでである。私は世界に対しもはや何も「行為」できない。何もできないのに世界に存在し続ける、そんな空ろな存在に堕してしまったのだ。嗚呼確かに、幽体離脱の最中も世界に手出しできなかった。だが、その代わりあのときは肉体からの自由があった。πασα γαρ ην το παλαι πτερωτη. 魂には翼があった! 身体なき身体を自由に操り、自由に場所を移動し、世界を眺める角度を自由自在に変えることが出来た。今の私には肉体の重き軛がある。私は朽ちかけた一本の松樹である。私は移動することも、腕を組むことも、ため息をつくことすらも許されない。私は今はっきりと、我と我が身の不自由を憂う。


(つづけさせてください)
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無計画な死をめぐる冒険 140

2009年06月17日 | 連続物語
 日が暮れ、日が昇り、日がまた暮れ、ひと夏が過ぎた。

 屈辱。ペンキを一缶頭からかけられ、身動きも取れないような屈辱である。確かに、確かに馬鹿鬼の言った通り、私は「形」を再び手に入れた。老松という「形」を手に入れた。だがそれがどうしたというのだ? 笛森志穂とどうやって会えるのだ? どうやって触れるというのだ? 彼女が何かの気まぐれでこの家────彼女が恨み憎んでいた男が生前住んでいたこの家を再び訪れ、さらに極めて奇特な気まぐれを起こしてこの松に近づいて、幹を撫でたり腕を回して抱いてみたりしてくれれば、確かに私は彼女と望み通り「触れ合う」ことができるかも知れない。呪われろ、詐欺鬼が! そんな僥倖としても望めないような僥倖を、これから私は何万年待てばいいというのか。私は拷問にかけられているのか。

 雨が降り、雨が止む。また降る雨は冷たくなって、冬が訪れた。

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 141

2009年06月17日 | 連続物語
 何度目の朝か、回数を数えるのはいつしか止めた。おそらく世間では十二月になったかならないかくらいであろう。
 深夜に降った雨のせいで、朝靄が横たわっている。今日は烏が鳴かない。小学生たちも門の前を通らない。世間は祭日か日曜日に違いない。
 要らなくなったテレビを引き取ると連呼する軽トラックが通り過ぎた。手押し車の老婆が門の前で立ち止まった。救急車のサイレンが二回ほど聞こえた。
 影が東に傾き始める正午過ぎに背広姿の男がやって来た。「いやあこれはこれはずいぶん遅れちゃいまして」と言っているが、申し訳なさそうな顔つきではまったくない。口先で謝りながら何度でも約束時間を破る類の男である。顔中に刻まれた皺と日焼けのせいで、始終笑っているのか始終怒っているのか判別し難い。しゃべりながらも鋭い視線で家のあちこちを点検している。どうも気味が悪い。そろばんが幾種類か頭にあって、常にどれもこれもぱちぱちと胸算用していそうな、油断のならない男である。大仁田が出迎え、男は家の中に消えた。

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 142

2009年06月17日 | 連続物語
 二時間は経ったろうか、くだんの男がまるでこの家の主であるかのごとく先頭に立って庭に現れた。その背中に従うようにして美咲と大仁田が続く。
 「この前庭が十二坪、後ろ庭が八坪、合計二十坪と脇の通路が少々か」
 そろばん男は見えない珠を熱心に弾いている。
 「それに建物が五十坪。なるほどなるほど」
 「この辺りじゃ、なかなか広うございましょう」
 美咲が牽制球を投げる。
 「ええ、確かにね。広いことは広い。しかしなあ。ふん、これだけ築が古いとねえ。五十年でしたっけ? まあしばらくは中古物件で出してみるが、やっぱりさらしてマンションか駐車場にしなけりゃ無理でしょうて」
 「何でも構いません。適切な値段がつくのなら」
 「適切な値段ね」男は目を細める。「適切な値段。大事なことですなあ。適当な値段、と言うよりも、適切なタイミングですよ。タイミングがもっと大事です。何しろ早くしなけりゃ、ほれ、あなた。相続税の利息が。相続税の利息がどんどん膨らんじゃう。それに建物を壊すとなると、その費用を差し引かなくちゃならない。不動産所得税ってやつもかかる。ローンも残ってましたな、ローンも? ま、それやこれやを全部計算に入れて・・・・お分かりですか? それに立地だ。この立地。ややこしいことだが、通りから一本隔たっているだけでも、土地ってのは安くなるもんでしてね、奥さん」
 傍で聞いている大仁田が眉毛を吊り上げて鼻白んだ。美咲も不機嫌な顔をしている。どうやらこの日焼け男は美咲の懐事情を承知して、取引を有利に進めたがっているようである。その取引とは何か。呆れたことである。恩知らずの女は、亡き夫に買ってもらったこの家と土地を売却しようとしているらしい。
 「それじゃ一体おいくらぐらいになるんでしょうか」と大仁田。「都内でこれだけの広さですもん、買い手のつかないはずありませんし。値段によっちゃ、また別のところに当たってもいいですもんね、奥様」
 「これ、大仁田さん」口では諌める美咲も、強ばった表情は値段によりけりと物申している。
 男は素人の駆け引きなどてんで相手にせず、既に自分の庭であるかのように満足げな表情を浮かべて、庭を逍遥した。
 「この松はなかなか立派ですな」

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 143

2009年06月17日 | 連続物語
 奴は私の前に立ち止まって私を見上げた。
 冷たく乾いた風が私と奴との間を吹き抜ける。
 「も少し太さがあるとなおいいが」
 失礼なことを言いながら、私の幹をぺしりぺしりと叩く。これは事件である。松の姿を借りて半年余り、完全な受け身ではあるが、私は初めて生身の人間の手に触れたことになる。だが触ってきたのは金銭にまみれた男の節太い手。笛森志穂の柔らかい白子の手に触れたいという願望からは程遠い。だから少しも嬉しくない。
 日焼けした不しつけ男は細い目をして私を見据えた。
 「ま、更地にするならこの松も切らなきゃいかん」
 貴様の顔こそ更地にして十分である。邪魔な木なら容赦なく切り倒す。この手の輩がアマゾンの熱帯林をも眉毛一つ動かさず裸にしていくのだろう。地球環境の梅毒である。何十と伸びる我が枝のどれかで奴の横面を張せればいいのだが、悲しいかなどの枝もぴくりとして動かない。
 「この松も切るんですか」
 美咲の反応は意外であった。うろたえるような口ぶりである。眉をしかめ、曲げた人さし指を鼻に当てている。心落ち着かない時の彼女の癖である。
 「おや、何か不味いことでも?」
 「いえ。そんなことありませんけど」
 「ふうん。亡くなった御亭主の形見の品だとか」
 その問いに笑ってみせたのは、美咲ではなく大仁田であった。「まさか。前の前の持ち主のときから植わってたものですよね、奥様」
 「ええ、まあ」美咲は痩せた頬に両手を添えた。「でも何だかこの木、薄気味悪くて」
 「ほう、薄気味悪い」

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 144

2009年06月17日 | 連続物語
 気温のせいか、彼女の脚が微かに震えている。
 「何だか、わかんないですけど。最近急に、何だか、威圧感が出てきたというか。この近くを通ると、息苦しくなることがあって」
 不動産屋と家政婦は、相槌も打てずに小柄な未亡人を見つめた。
 「ま、奥さん、ほんとですか。そんな奇妙な松なら、それこそ切ってしまった方がよかないですか」大仁田は失礼な提案をする。
 「そうねえ。でも何だか、よけい祟りがありそうな気がして」
 祟れるものなら二人とも祟ってやるわ、ヌケブスと薄情女が。私を毒殺した犯人との疑惑は晴れつつあるにせよ、私に対する数々の粗暴な態度。あまつさえもし、屋敷の売却と、黒松の伐採に同意した暁には、末代までも呪ってやる。しかし末代というのはつまり博史のことか。我が身内を末代までも呪うとは可笑しな話である。そもそも、松を切り倒した後の、霊魂としての私はどうなっているのか。今度こそ昇天するのか知らん。
 一老木の思惑などあずかり知らぬこと、日焼け男は美咲の話に興味津々である。
 「ふむ。祟りですか。ほほ、祟りが出ますか。失礼ですが宇津木さん、その祟りと、亡くなった旦那さんとは、何か関係がありますか」
 どうやらこの男は何らかの噂を聞きつけていると見える。
 「ございません」
 美咲は即座に打ち消したが、即座に過ぎた。日焼け男はにんまり笑った。
 「なるほどなるほど。関係ない」
 「関係ございません」
 「ほほほお。何だかわかってきた気がしますなあ」

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険145

2009年06月17日 | 連続物語
 「何をです」
 「何をって、そりゃまあ、ほれ。奥さんがこの地を離れたい理由とか」
 憤慨は大仁田の役である。「理由、理由って、ちょっと、一体どんな理由なんです」
 「そりゃ、もっともな理由です。そうでしょうが? だって祟りですよ祟り。祟りなんて家に取り憑いた日にゃ、シロアリだって逃げ出しますよ。ほほ、何の祟りかはともかくね」
 「何の祟りかって、だから松の祟りだって言ってるじゃないですかさっきから」と大仁田。
 突っかかる大仁田を手で制し、美咲は、大仁田よりも恐い吊り目の形相で不動産屋を睨んだ。枯葉を踏みしめる音。
 「で、いかがなんでしょう」
 「はい?」
 「この土地、おいくらで買っていただけるんですか」
 単刀直入、誠に現金な女である。この女は自分の用事を済ませたいだけである。用事とは土地の売却である。その他のことには毛ほどの感慨も抱かない。物事を片付けたい片付けたいとしか考えないせせこましい人種である。私との思い出も一刻も早く片付けたいのだ。そう急く人間は早死にするぞと言ってやりたいが、私の方が早死にしたから言い分が立たない。
 その美咲の一太刀にも、日焼け男はひるんだ様子を見せない。彼は不意に関心を失った人のように身を退いて、太い腕を組んだ。もちろん彼の頭の中では、金勘定の関心がとぐろを巻いている。
 遠くを行く大型車の音が風を震わせる。
 お勝手の脇の楓が葉を落とす。
 男は鼻を擦ってから黒松、つまり私に一瞥を投げかけた。それから思い出したように家屋の方を振り返った。最後に女二人細めた視線を戻した。
 「概算で、六千万。詳しく見積もって見なきゃわからんが、五千万は下らんでしょう」

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 146

2009年06月17日 | 連続物語
 女二人は地蔵のように立ち呆けた。唖然とするのも至当である。確かに安い。最近の地価の高騰を考慮すれば──確か高騰しているはずだが──あと三、四本の指はつく。これでは、彼女たちの期待をも大きく下回った額であろう。
 ブローカーはひたいの皺を増やし、腕組みをしたまま詰め寄る。
 「いかがです」 
 「六千万から、五千万ですか」
 「まあそのくらいです」
 「お願いします」
 信じ難いことだが、美咲は深々と頭を下げた。私の葬儀のときに坊主に頭を下げた仕草とまったく同じである。私が工面に工面を重ねて購入した土地を何だと思っているのか。この女はどこまで情け知らずなのか。且つ相場知らずなのか。もっと安く買い叩かれることを想像していたのか。それとも、どんなに安くても構わないと思えるほど早くこの地を離れたがっているのか。
 大仁田も、女主人に合わせるべく慌てて頭を下げた。
 男の見開いた目に光が宿った。
 商談は成立した。

 日焼け男は至極上機嫌で帰っていった。それはそうであろう。帰り際、「賢明なご判断だ」と繰り返し美咲を褒めた。美咲の服装まで褒めた。全てが胡散臭い男である。門を出る前に私の黒松に一瞥を投げかけたが、祟りがあるのかしらないのかしら、まあ、たとえ祟られるとしても自分じゃなくて土建屋だろう、と割り切った風の表情であった。

(つづく)
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無計画な死をめぐる冒険 147

2009年06月17日 | 連続物語
 街宣車がもぞもぞ訴えごとをしながら遠くを通り過ぎる。
 冬の日差しを浴びて、不動産屋を見送った女二人が佇んだまま、前庭から通りを眺める。
 「売っちゃいましたね」
 大仁田がせいせいした、とでも言わんばかりに両腕を伸ばしてみせた。しぐさの割には、落ち着かない表情である。
 「そうね」
 美咲が私の方をちらりと見遣った。どうもこの女は祟りが気になるらしい。
 「思ったより高く売れたじゃないですか、奥様」
 「そうねえ。高かったのかしら。安かったのかしら」
 「尾崎歯科の隣の空き地は、二千五百万くらいだったって言ってましたし」
 「そうねえ」
 「お坊ちゃんもこの金額なら納得するでしょ」
 「博史? 博史はいいわよ。分け前も十分よ。でも」
 寒さのせいか、美咲の両足の踵が上がり下がりしている。彼女は込み上げてきた含み笑いを人差し指で押し隠す。
 「宇津木が生きてたら、納得するかしら」
 「旦那様ですか? そりゃあ納得しないでしょ。相談するだけでソファーを蹴り倒されてますよ」
 二人の女はくつくつと笑った。大変失礼である。私は怒りに任せてソファーを蹴り倒すような真似はしたことがない。いや、一度しかしたことがない。あれは三年ほど前、美咲が掃除ついでに、私の論文の原稿を勝手に片付けたときであった。原稿には手を触れるなとかたく通達しておいたのに。それと、そう、もっと前の結婚して間もなくのころ、言葉遣いのことで口論になり、居間にあるソファーをあるだけ全部ひっくり返したことがあった。だから合計、二度しかない。
 美咲は足元の敷石の端に顔を出している雑草に目を留め、しゃがみこんで引き抜いた。抜け毛のようなひ弱な草である。美咲はしゃがみこんだまま庭を見つめている。彼女の手から雑草がこぼれ落ちた。

(つづく)
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