た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

福島スキー合宿

2005年01月03日 | Weblog
 このたびの年末年始は福島にスキー合宿に行って来た。友人数名と夜行バスに乗り込み、大いに滑り、安宿に泊まり、また大いに滑った。滑ってばかりいた。年の変わり目を小旅行で過ごすのは初めてであり、不思議な喜びと感動を覚えた。新年を迎えた気はあまりしないが、自分が新年を迎えるにあたって何をしたかははっきり言える。そういう充実感があった。その実感はもちろん、白一色の世界の強烈な印象や、コタツを囲んだ深夜に及ぶ友人たちとの色恋話や、いまだ完全には取れない全身の筋肉痛などに裏打ちされたものである。
 最終日の二日、くたくたになるまで滑り終え、夕方ようやく帰り支度をし始めたとき、舞い落ちる雪が結晶を形作っているのに皆気づき、歓声を上げた。それはよほど冷え込まないと出来ないと思われる、小さな、見事な結晶であった。雪の結晶は一つとして同じ物がないと言う。信じられない光景であった。幾何学的であり、微細であった。溜め息をつきたくなるほどに美しかった。どうしてこんな小さなものが、とは、そのとき誰一人思わなかった。これが大自然というものの片鱗なのだろう、と、皆素直に納得していた。我々のうち数名は、結晶の前で何度もカメラのシャッターを切った。

 今年はよい年にできる。私はどうしてか心にそう確信した。
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