た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

4月22日

2009年04月22日 | essay
 あんまりさわやかに晴れた朝なので、珈琲を片手にベランダに出てみる。見渡すと街の向こうに北アルプスの峰が見えた。そうか、このアパートからは山が見えるのだ。八か月前に入居した時点で知っていたはずだが、すっかり失念していた。忙しかったのだろう。心に余裕がなかったか。山を発見して嬉しいような、少し寂しいような気持ちになり、珈琲を啜る。鈴の音に振り向くと、去年の夏にかけたままの風鈴がすっかり色あせて風に揺られていた。

 今年の夏はそこまで来ている。
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