日曜日の夕刻に街を散歩したら、見事な藤棚に出くわした。道路から玄関まで咲き乱れていて、この家に訪ねてくる人はずいぶん頭を下げなければいけないだろう。それからまたたらたらと歩いた。何人かの人に往き合った。猫にも出会った。人は必ず眼をそらすと思った。猫は必ず眼を向けると思った。不思議である。歩き疲れたころに寿司屋についた。贅沢するために歩いたのである。歩いたからと言って勘定が安くなるわけでもないから、あまり理屈に合わない。寿司屋でしこたま飲んでから歩いて戻る頃には、人も猫も藤棚も宵闇のどこかに消えていた。
goo blog お知らせ
最新記事
カテゴリー
カレンダー
バックナンバー
ブックマーク
- あ、これ。
- 当ブログ掲載ものからの作品集です。
- 私設 松本観光案内所
- overthejigenの副職です。
- しかしもかかしもない。
- 友人屯田八郎さん。本業は趣味人。
- Death and Live
- 書き手のzooquieさんはこのブログの後見人です。