去年の暮れからメダカとエビを飼っている。それまで三年ほど金魚を飼っていたのだが、水槽の掃除を怠り、埋め合わせのつもりで水槽がきれいになるとかいう薬剤を入れたら、あちこちが泡だらけになり、金魚も泡を吹いて死んでしまった。まことに申し訳ないことをしてしまったと金魚に対して思っている。そんな不精な人間だから、次もすぐ死ぬだろうと思い、一匹18円のメダカを三匹と、育てるのが一番難しいと売り場の兄さんに釘を刺されたヤマトエビを二匹だけ飼って、実験のつもりで水槽に入れたら、年を越して、冬を乗り切り、桜が散ってもいまだ元気に泳ぎ回っている。大したものである。
ただ、メダカはたった三匹なのに、あまりに小さいから個体の識別ができないままである。名前を付けることもままならない。泳ぎ方が落ち着かないから、見ていてもあまり落ち着かない。エビはエビで手足をくるくる動かしてなかなかひょうきんな動作をするが、日がな一日プラスチック製の「岩場」に隠れてめったに姿を見せない。
それでも、水槽の前に腰かけて呆然と眺める時間が毎日数分間は確保されるようになった。何か話しかけようにも、個体としての存在感の薄い連中だから、話しかける気にはならない。ただ眺めている。見ていると、落ち着かないなとやっぱり思う。
今の自分には、それで相応しいのかも知れない。
ただ、メダカはたった三匹なのに、あまりに小さいから個体の識別ができないままである。名前を付けることもままならない。泳ぎ方が落ち着かないから、見ていてもあまり落ち着かない。エビはエビで手足をくるくる動かしてなかなかひょうきんな動作をするが、日がな一日プラスチック製の「岩場」に隠れてめったに姿を見せない。
それでも、水槽の前に腰かけて呆然と眺める時間が毎日数分間は確保されるようになった。何か話しかけようにも、個体としての存在感の薄い連中だから、話しかける気にはならない。ただ眺めている。見ていると、落ち着かないなとやっぱり思う。
今の自分には、それで相応しいのかも知れない。