た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

戸谷峰

2020年11月16日 | 写真とことば

なんということだ

わずかナノメートルのいたずらで

もう世の中はこんなにも生きにくいじゃないか

街では息すらろくにできないじゃないか

 

さあ靴を履き山に向かおう

名が知られてなくていい

看板もない里山でいい

ふかふかの朽葉を踏みしめ林をゆけば

木漏れ日に顔を洗い、汗ばむ背中を風で流せば

他に何が必要だったかわからなくなるのだ。

それだけで

もう自分には十分な気がしてくるのだ。

 

ここには絵画があり、音楽があり、すべてがある。

哀しみがあり、喜びがあり、生と死がある。

ほら────見渡してごらん!

ああ、なんと豊饒な枯葉色───────。

 

※写真は戸谷峰

 

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