2021年7月22日(木)付「岩手日報」に”宮崎産マンゴーに新顔 「パルメロ」地元農家、海外種から発見”という見出しの記事が掲載されています。(宮崎日日新聞社提供の記事)
”宮崎県産マンゴーにニューカマー―。宮崎市北川内町のマンゴー農家、鬼塚高幸さん(49)は、偶然手に入れた国内の主要品種とは遺伝子が異なる珍しいマンゴーを「パルメロ」と名付け、農家仲間らと栽培に力を入れている。甘さ、香りともに上々で、販売も好調。6月末から収穫期を迎えており、「宮崎マンゴーの魅力を多様化させたい」と意気込んでいる。
マンゴーは世界に千種類以上あるが、本県ブランドの完熟マンゴー「太陽のタマゴ」をはじめ、国内産の9割超を「アーウィン種」が占める。鬼塚さんは「宮崎が主要産地であり続けるため、独自の品種も育てたい」と思い、約20年前から他品種の苗木を取り寄せて栽培してきた、
そんな中、2004年に海外から持ち込まれた苗の中に、見たことのない実を付けるものを発見した。実の大きさはアーウィン種と同等だが、下部に小さな突起があるのが特徴。上品な香りと酸味の少ない甘味が口いっぱいに広がり、「食感なども含む総合的な評価は過去最高」と感動したという。
市内のマンゴー農家5人と協力し、肥料の量や成分など最適な栽培方法を研究。18年には栽培する計約150本が、出荷できる品質の実を付けるようになるまで技術を高めた。
品種を特定しようと、16年ごろには国内最大規模となる約60種の遺伝子情報を持つ宮崎大農学部に検査を依頼。どの遺伝子型とも一致せず、同学部の石村修司研究員(果樹園芸学)も「少なくとも国内では非常に珍しい種では」と驚く。
真珠(パール)のような果皮と芳醇な(メロー)な香りが名前の由来で、3月には商標登録を取得した。今年から大阪市の販売会社と連携したネット販売も始め、ホームページで希少性などをPR。売れ行きは好調に推移しているという。
鬼塚さんは「まだまだ知名度は低いが、品質には自信がある。パルメロによってマンゴーの選択肢が広がり、県産果樹の振興につながれば」と話す。