7月10日、「フラウエンコール」というアマチュア合唱団の定演がありました。
昨年はコロナ禍の影響で中止になりましたが、
顧問、薦田義明先生と合唱団の熱意で、今回は40回ということもあって、なんとしても開催したいという思いがあったのだと思います。
そして、前日から客席をソーシャルディスタンス仕様にするため、1席おきに着席禁止の張り紙をしていました。
いやもうもちろん、それだけじゃなく。
私は、今年3度目の「モーツァルト・レクイエム」の日本語字幕係。いろいろあってお引き受けしています。
本番はレクザム大ホール(県民ホール)。これまでは小ホールだったのです。
ソーシャルディスタンスのために大ホールにしたようでした。
「レクザムホール」です「レグザム」と発音してる人多数。私もその1人だったんだけど、息子に思い切り訂正されました。
(息子はレクザムホールで吹部の定演をやっているので、わりとうるさいのだ。)
「アボガド」とか「みつごし」…な感じでしょうか。
客席は、きれいに1席おきにお客様が並んでいて、ほぼ満席に見えました。
そして、緞帳が上がったとき、団員のドレスと合唱用マスクのデザインと色がぴったりで、すごく綺麗でした。アラブ女性風な雰囲気も…
「ステージでマスクして歌う」ことに違和感は全然感じませんでした。
コロナ禍の中、団員の方たちは、開催する為に、練習も本番も、これまで経験したことのない、想像を絶する努力をされてきたことと思います。
そして、お客様は、フラウエンコール、薦田先生の長年のファンの方、友情関係の合唱団の方、そして、団員のお友達、、、コロナ禍の中、とても頑張って開催にこぎつけた合唱団を「応援するよ」というお気持ちの方で埋め尽くされていたのだと思えます。
団員の方とお客様の間に通う心、、まぎれもなく「愛」です、なんと「愛」の通い合うコンサート。
私には、団員と、お客様がそれぞれやわらかな大きな塊になって、大ホールの中で、「愛し合っている」「呼応している」ように感じて感動しました。
こうして字にしてしまうと理屈っぽいですが、これを書いている私はかなりうるうるしています。
ほんとうにすごくいいコンサートでした。
本番の1週間前に、リハーサルにお付き合いさせていただきました。
その折、たまたま集合時間が同じだったようで、薦田先生と入り口でバッタリお会いしました。
先生は、このコロナ禍で練習もままならない中、空いた時間に、ご自分の思いいれのある日本歌曲やポピュラーな曲を20曲、アカペラでCDにまとめて主に団員の方たちに差し上げたとのこと。アナブキさん(私)にも渡してねということだったそうで、謹んで頂きました。
CDの同梱メッセージには、感想をお聞きになりたいと。
先生にお会いしたら、まずこのお礼を感想をお伝えしなくてはいけないのですが、ちょっといきなりすぎて、準備はしていたのですが、予定通りにはいかなかったーー。
月並みなことしか言わなかったのがとても残念です。
先生の発声が、矍鑠として素晴らしいこと。言葉がとても美しいこと。
選曲がかなり私の好みであること。
ほんとはもっと言いたいことがあったのだ。
少し時間があったので、いろいろお話をしたのですが、先生はSYOさんが亡くなったことをご存じで、「ご愁傷様です」…と、、、SYOさんの話に。
「長かったんですか?」「いえ、もう突然ででびっくりしました」
そして終活についてなどの話に及び、、、
私は、先生のCDの中の、武満徹の「死んだ男の残したものは」について、私もこの曲がものすごく好きで、LIVEで、自分でアレンジ…というか即興演奏しましたということを実はいちばんお伝えしたかった。
他にも、先生のCDの中で私がLIVEで、SYOさんのピアノで歌った曲がかなりありました。…ということもお伝えしたかった。
SYOさんの話になってしまったので、さすがに「死んだ男の残したものは」のことについては言えなくなってしまった……残念!!!
ほんとに薦田先生とはこのことについていちばん語りたかったのでした。
武満徹氏が中学校の頃から好きだったこととか、、、
その日のリハーサルで、私も自分の作業の練習をさせていただいたのですが、
薦田先生のご指導は、パワフルではあるのだけど、以前と比べ優しかった。ちょっと意外でした。
でもコロナ禍で練習もままならないので、怒鳴りまくらなくなったのかな、妥協していらっしゃるのかなあ…とも思いました。
本番が終わって、先生は「いやも~~後期高齢者ですからね。ずいぶん穏やかになったでしょう。」と私に仰るのです。
「なにをおっしゃる、先生、矍鑠として今年もすてきでした。これからも期待してます。」みたいなこと申しまして、「フィストバンプ」というヤツを初めてやりました。
ぐーを合わせるやつね。
初めてのことだったので一瞬どちらの手を出せばいいのか焦りましたが、普通に右手でOKとのこと。
嬉しかったなーーーー
私、ちょっと斜め下な、特殊?な立場からですが、これからも「フラウエンコール」と薦田先生のことは、ずっと応援したいと思っています。