おぉぉ~~。今日から新しい業務。
今回のは、最新の改訂版記譜ソフト「アラルガンドQ」
まずは30分程度、商品の概要を、トークスクリプトと、会社や商品の資料を見ながらSVが説明してくださいます。
…とはいっても、SVも、クライアントさんから直接聞いているので、私たちよりは知識があるけれど、専門家じゃないので100%ではありません。
SVの方がたのトークは超一級ですが、「案件」の内容に関しては、隅々まで熟知されている訳ではありません。
3年前発売された「アラルガンドα」は、海外にも普及しており、3オクターヴの折り畳みマット式簡易キーボードがオプションで販売されていて、
これが結構スグレモノで、特に海外での評判がよかったヒット商品。
厚さ3mmのキーボードで、USBに繋いでデスクにぺろ~んと広げるだけで、弾く時の強さによって強弱を15段階に識別して入力することができる。
それらは、そのまま譜面に、アクセント、スタッカート、クレッシェンド…などなど、音譜と同時に、自動的に入力される。
このビミョ~さが、大変良いと評判だったとのこと。
(もちろん、お手持ちのシンセでの入力も可)
今回の「Q」は、ソフト自体5カ国語対応。 さらにギター入力、音声入力が可能となり、英、独、仏、伊、日 の歌詞入力が可能となった。少々発音や音程がビミョーなのはOK。自動修正される。
オペラや合唱付きオーケストラの記譜まで、完全に対応できる商品とのこと。
もちろん楽器の入力も音声ででき、それぞれのパートの楽器で再生できる。
最終的に、完成した楽曲を音源データとして確認することができる。
パート譜は、当然スタジオミュージシャン仕様の譜面でプリントアウトできる。
さらに、今回の商品は、日本語版に限り、オプションで、JASRAC登録されている楽曲と同じ、または酷似しているフレーズが著作権法に基づく小節数、表記された場合、警告表示が出る。登録曲は1年ごとに更新される。
価格は〇〇万円、αからのバージョンアップは〇〇万円。(結構高い)
これを、音楽業界の方たち、有名作曲家個人などなどに、実際の商品をご覧いただくために、まずは訪問のアポを取るのが、今回の仕事。
ひぇ~~~~っっっ!!
以上が15分の説明。あとは各自、資料とトークスクリプトに目を通し、アタマの中を整理して、コールを始める。
オペレーターは当~~然、こんな音楽業界のことは、なんとことかさっぱりつんつるてんにわかりません(@_@;)
30分で何がわかる!!
コレを読んだみなさまも、殆ど意味わからないよね。でも、ゼヒ最後まで読んでね。
しかし、専門知識がゼロでも、「トークスクリプト」に従って、片っ端からコールするのです。
とりあえず「トークスクリプト」だけが頼りなのです。
「ミュージックA」のスタッフになりきるのです。こわっっっ( ̄□ ̄;)!!
専門的な商品だけに、突っ込んだ質問来ます。こわ~~~~っっっっ( ̄□ ̄;)!!
それでも、オペレーターのみなさん、やってます。そこは経験。
スゴイんだこれが~~~~
さ~~あ、なんだかよくわかんないけど、とにかくいっちょやってみるか!
(ここがオペレーター恐るべし…と私は思う)
知識は、コールしながら、お客さまの反応をみながら、その都度SVに聞いてクライアントさんに確認して頂いたり、自力でネットで検索しまくり、徐々に理解し、体得し、成長していくのです。
え~~い! いくぞ~~!
「お忙しいところ恐れ入ります。ワタクシ、ミュージックAのTAKAMIと申します。お世話になっております。音楽制作のご担当者様はいらっしゃいますでしょうか?」
「ただ今席を外しております」
「担当者名がわからなければ、お取次ぎは致しかねます」
先ずは、受付で体よく断わられること多数。
10数件めあたりで、やっとご担当者とコンタクトがとれる。
キタ~~~!! 最初はめっちゃ緊張が走る!!
でっ、商品の説明をしたところで、殆どは
「うちは、音源で納品するので、記譜のソフトは必要ないですね~。」
「うちは、せいぜいウィンドアンサンブルとか、バンドスコアー程度なので、そこまで必要ない。もっと簡易的で安いものはないですかね?」
「いや、ワシ、音痴やから、音声入力はいらんわ。」
…最初はこの断わり文句の意味さえ、3番目以外、なんのことかわからない。
「音源で納品とは?」
「ウィンドアンサンブルとは???」
でも、ここでもオペレーターは徐々に「習得」していくのであります。
すかさず、「ウィンドアンサンブルとは」とググるε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘(筆者註:吹奏楽の意)
たま~に、「へぇ~、ソレ、ちょっと興味ある」というアレンジャーと遭遇する。
そうすると、専門家なので、当然つっこんだ質問をしてくる。
「それってさー、要するに、歌って入力するってことでしょ?アーティキュレーションや、ダイナミクスの精度どいうのは、どの程度なの?
俺、正直いって、歌ヘタなんだけど
(筆者註:音の切り方や、なめらかに繋ぐ、音の強さ、だんだん強く、弱く…など)
ソレ、営業の人に歌ってやってみてもらえるの? 曲のリクエストとかできるの? 今作ってる曲とかで試してもらえるかなー? 」
「自動入力時のリタルダンドやアチェレランドのようなテンポの変化はどうなるの?」
どっひゃ~~~~ん!!∑(゜Д゜)
(筆者註: 私ならこういう質問絶対します。
だって、どの程度ちゃんと歌えばいいの??。
歌いたくない、歌は自信ない、自分で歌って入力したくない作曲家、アレンジャーおるやろ、、、 Googleの音声検索でさえ、こっぱずかしくて、しない人、ちゃんと認識されないとヤだから…という人いっぱいいるもんね
しかし、私にとっては、歌って入力は、とっても手っ取り早く、大変興味深い。
しかも、歌ったら、そのまま歌詞が入力されるなんて、あの特にめんどくさい英語なんかの文字数の多い歌詞が自動とは、夢のようです。)
こんな質問、音楽には素人のオペレーターは全く想定していないし、質問の意味さえわからない。
「はい、音声のダイナミクスは30段階に識別されますが、自動修正機能で、適切に記譜されます。
しかしダイナミクスやその他の設定はオン、オフができますので、音階とリズムのみの入力もでき、後に書き加えることや、修正ももちろん可能です。」
「テンポの変化は、キーボードのテンポキーをその箇所だけ手動に切り替えてタップしていただくことで調整できます」
このような回答ができるようになるには、何十コールもして、「よくある質問」を熟読し、さらにSVに聞いたり、自力で検索したり、1案件のなかで、成長していくしかないのであります。
しかし!
「お電話でご説明してもお伝えしきれませんので、ぜひ実際にお試しいただけたらと思います。
ご要望があれば、5ヶ国語での入力を実際に営業担当が歌って実際の記譜がどのようにされるかをご覧いただけます。
営業担当は全員、歌は専門ではありませんので、この程度の歌で、これくらいの記譜が可能であるということが、おわかりいただけると思います。
また、ギター入力に関しても、ご要望があれば、楽器を持参して、ご紹介させていただきます。
今月、来月中であれば、集中的に営業担当がご紹介させていただいていますので、御社のご都合のよいお日にち、お時間で、伺えるかと思います。
早速週明けの〇曜日、〇曜日などいかがでしょうか?」
…と、その場で完全回答をするより、アポに導くのが、オペレーターの務め。
「アラルガンドQ」は、数千件コールして1ヵ月程度で終了。
jこの業務は、数千件の中から数十件の訪問アポイントを取ることなのです。
完全に理解できるまで、じっくり研修を受けるということはありません。
30分説明のあとは、当って砕けろ!なノリです。
数十件に1件獲得できればラッキー。
「おっ、ソレ、なかなかいいじゃん」という需要と供給が一致することがあって、そんな時は、不思議なほどすんなりとアポOKとなります。
あまりにも断わられまくるので、「えっ、マジ? ホント? いいの??」って思ってしまうんだよね~~(^_^;)
求めている人にとっては、オペレーターの営業トークの手腕とか、あまり関係ないと思います。
求めている人を探し出すのが、私達の仕事なのでは…という気もしたり、、、
とはいっても、営業トーク、絶妙な超ベテランの方、いらっしゃいます。
…てか、みなさん、めっちゃレベル高いです。
(ついでに、オペレーターのみなさま、可愛い、美しい、凛々しい…のいずれかに所属するんだコレが!!)
1 聞き入るトーク
ベテランの方たちは、忙しくて営業トークなんか聞いてる暇ないよ…というご担当者を引き込んで聞かせる間の取り方が絶妙。
「お忙しいところ、恐れいります。弊社、『私に恋したお坊さん』のドラマを制作しました、株式会社ABCの、ワタクシ〇〇と申します。」
是非みなさまもご一緒にどうぞ(^_^;) せーの!ハイ!!
受付の方がフツーに電話を受けたら、突然電話口で、「私に恋した」と言い出すんだよ。一瞬「エッ!?」となる。そんで「恋した」のあと一瞬間をあけて「お坊さん」とくる。「ええ~~っ!!」
このドラマ、知ってる人は「ああ知ってる、観てたよ~」って親近感持ってくださるけど、
全然知らない人は、「エッ、何の話?ナニゴト!? となります。
そして、どちらにしても、知らず知らずのうちにトークに引きずり込まれていくのだ。
フツーに素人さんが、だら~っとこのフレーズを喋っても、それほどインパクトないです。
この、絶妙な「間」と「抑揚」が、ベテランオペレーターならでは!!
この案件が何の営業なのかはヒ・ミ・ツ!!
2 明るく誠実なトーク
断わられまくっていると、「難しいですよね、無理ですよね、ダメっすよね~~~」という心の内側が、口調に反映してしまうものです。
「早速来週早々にでも、ご紹介させていただくお時間調整いただけないでしょうか?」
さ~あ、これまたみなさまご一緒にどうぞ♪
「ダメっすよね~~」と「ゼヒとも、お願いします、絶対いいっスよ!!」と、両方で言ってみてください。
口調にも、音楽のように「メジャー」(明るい)と「マイナー」(暗い)があります。
「メジャー」なトークは、メリハリがあって、音の高低の幅が広く、主にフレーズの前半が高い。
「マイナー」なトークは、音の高低差があまりなく平坦で、比較的フレーズの後半が高い。
…と理屈を述べるよりコレ!
「ねーねーおかあさん」(過去)
「なーなーオカン」(現在)
これら言葉の抑揚や勢いで、母は次にくるものが、良いものか、そうでないのか、要求か、質問か、、瞬時にわかりますよね。
私は、これを選挙のウグイスレクチャーのときにいつも用いて、共感いただいています。
「ダメっすよね~~」と思いながら言うと、口調が「マイナー」になります。
ベテランオペレーターの方は、心の中では「こりゃムリだな」と思っていても、最後まで「メジャー」で押し通す。
この技もスゴイっす。
私は、オペレーター経験はダブルワークの中でいちばん長いのですが、
業務が、短期間でどんどん変わっていくのは初体験なのです。
なので、初心に帰って謙虚にイチから出直しておりますが、
トークに関しては、超絶「ウグイス」経験もあり、共通するところがとても多いと感じます。
前の職場の「スーパー」に関しては折々に書いてきましたが、
「コールセンター」は守秘義務があり、業務の内容はお伝えできません。
「アラルガンドQ」も「私に恋したお坊さん」も私の創作ですので悪しからず。
コンプライアンス、ギリギリセーフのところで書いております。
このようなマニアックな案件をコールするのはめっちゃ緊張し、プレッシャーもあり、それに徐々に慣れていく自分を褒めてあげたいって気になるってもんです。
私たちには「マニアック」でも、業界の人はそれが日常で、当たり前。
そこへ切り込んでいくって、スゴくね??
その他、コールセンターってところは、不動産、建設、展示会、情報システム、電力、保険、通信教育、通信販売、意識調査、…などなど、いやもう書ききれず、幅広く色々な業務があります。
その都度、全く未知の世界に翻弄されまくりながらやっていくのであります。
オペレーター魂。
「なんだかよくわからないけど、とにかくやってみる!」
最初から完璧な状態なことは全くなく、3割程度の理解のところがスタート地点と感じる。
そして、そのうちにだんだん少しずつ成長していく。
着地点は、せいぜい7割程度かな?
でもコレだよ。この成長魂がなきゃ、この仕事、やっていけません。
ホント、みなさん、すごいんです。
先日、とっても難しそうな業務をやっているオペレーターさんに「めっちゃ大変そうですね~~」と労ったら、「ホント大変なんです。鍛えられてますよ~~」と仰ってました。
こんなポジティヴ発言ができるのは、会社に対する信頼があるからだと私は思っています。
ホントにいいオフィスなんです。
自分の都合で出勤の日時を設定できるし、上司がしょっちゅう差し入れくださるし(^_^;)
ミスは当然叱られますが、上司が責任を持ってくださいます。
なので、これまでのダブルワークでは出席したことのなかった、会社主催の送別会や、忘年会も参加させていただき、それもかなり楽しいのです♪
そしてそして!!
お昼休みには、虫虫女子会の仲間と、休憩室でお弁当を食べながら虫を主体に、動物全般について楽しく語り、盛り上がりまくります。
昨日の話題は「アナコンダ」。巨蛇の中に入ってみたくて、自ら食べられようとしたアホがおる…と、、、
このグループ、宝くじが当ったら、「虫カフェ」を設立すると、かなり真剣に企てています。
春になって、暖かくなったら、中央公園に行って、ランチセッションもするよ。