幼児のレッスンって、毎回、何がおこるかわからない、わくわく、ドキドキなのです♪
この狭いLDの大きなテーブルを取っ払って、カーペットを敷いて、
幼児のリトミック仕様にしたい!
…と、何度思ったことか、、、
しかし、あくまでも「ピアノのレッスン」。
リトミックで「ぞうさん」や「りすさん」になることは、集中力の持続が短い幼児のレッスンで、「目先変える」のにはとっても有効だけれど、グループレッスンじゃないし、個人レッスンの限られた時間の中で、ひとりの生徒さんに対して継続的にリトミックをやることは難しいし、私自身もまだ勉強不足…という理由で、今のところ、大きなテーブルをとっぱらう案は頓挫したままです。
Takが保育園の頃、私は幼児のレッスンが得意でした。
なんといっても、「声かけのしかた」「興味の持たせ方」を、わが子で毎日体験するので、そのあたりで躓くことはまずない。
20代のヤマハ講師時代に、「幼児の集中力」や「運動能力」「聴音力」「語彙」などなどについては、しっかりと研修を受けましたが、今思い起こせば、当時の私は、頭で理解したことで、すべてわかったつもりになっていた、ちょっと傲慢人間だったような気がする…
「個性」や「個人差」についても、当然頭には入っているのだけれど、私は、自分が受け持っている何十人もの生徒さんたちの一人一人に対して、責任ある対応ができていたのだろうかと思うと、、、当時の生徒さんや、親御さんには大変申し訳ないけれど、まだまだ甘かった…と、正直思います。
これが完璧で正しい!と研修を受けた「マニュアル」をきっちりこなすことが求められていたのです。
…しかし、そのマニュアルも変遷していくのよ、時代とともに、、、
「これが完璧」なんて、あり得ない。
ちょっと脱線するけど、電話オペレーターも同じ。
「マニュアル通り」やれば、それでいい。いや、それがベスト。
個人の意見や感情的なことは、極力排除して、均一性を求められるのです。
さて。
東京から香川に住居を移して、自分の音楽教室を1から始めようとしたとき、
私は、「大人のピアノ&ヴォーカル教室」にしようと思いました。
「娘が弾いていたピアノが今では物置き場になっています」というような、熟年の主婦の方に、気軽に来ていただいて、自分の弾きたい曲から練習していただく…
もう高松では、子供のピアノ教師は飽和状態と聞いているし、よそモノの私が入っていく余地はないのではないかと…
でも、それでも、親子で習う生徒さんなどで、幼児の生徒さんも来てくれるようになったのは、とても嬉しいことです。
大人の言葉がそのまま通じない幼児のレッスンは、毎回とても新鮮な、「初心に返る」ような気持ちになれて、ほんと~~~に楽しい。
子供を育てている母は必ず通過する道なのだけれど、それでも、子供が成長して、自分が持っている大人の言葉で会話ができるようになると、やっぱり忘れてしまうもんなんだ、幼児の気持ちって、、
今、私のところに来てくれてる生徒さんたちは、レッスン中、よく泣きます(^_^;)
私としては、叱ったり、キツいことを言ったりしてるつもりは全然なくても、
泣くってことは、、子供は追い詰められているのです。
それはちょっとした、ほんの「きっかけ」だと思います。
泣きかたにも、いろいろ性格が現れます。
ぽろぽろ…と、無言で涙をこぼしながらも、頑張って乱れずやり通す子もいるし、
いったん泣き出すと、も~~収拾つかなくて、気が済むまで、泣きたいだけ泣いていただくしかないっす…という子も、、、
泣いている子供の気持ちはものすご~~く伝わってきます。
実は今朝、ワタクシ、夢を見て大泣きしました。
目が覚めたとき、なにが悲しくて泣いたのか、全然覚えていませんでした。
夢の最後の場面は、「甍(いらか)の波」の上に、きれいな鳥が無数に飛んでいるところだった。
そこに至ったには、一応ストーリーがあるはずなんだけど、泣きながら目を覚ました私は、さっぱり思い出せませんでした。
でも、泣きながらトイレにいって、冷蔵庫を開けてお水を飲んで、暫くホントに「ワケもわからず」泣きじゃくって、気が済んだところで、またベッドに横になって、続きを寝ました(^_^;)
一連のその事件?をTakは見て見ぬフリしてほっといてくれました。それが正解!
子供が泣くのは、こーゆうことに似ているのではないかと思います。
きっかけがあって、泣きはじめたら、あとは、もぉ~「なんで泣いてるか」は関係なく、大声で泣いたり、涙を流すことでのカタルシス…
なので、私は、子供のレッスンで、「泣かさないようにやろう」とは思っていません。
いえ、もちろん「泣かそう」とは思っていませんが、「泣きたければ好きなだけ泣いていいんだよ」と言っています。
でも、その子供たちが、泣きべそのままで帰っていったことは一度もありません。
気が済むまで泣いたら、、自分の好きな絵を描いたり、折り紙を折ったりして私にくれます。
帰り際に、私が忘れていたら「おかしちょーだい」とか、ケロリと言ったり。
「子供を、追い詰めてしまう」覚悟。
これは、私にとっては、重要なことかもしれないと思います。
私は本当に、「フレキシブル」というと聞こえがいいけれど、
生徒さん本位のレッスンをやっていて、「私の方針はコレ。黙って従えば間違いない。ついてこい。」といって、自分のペースで引っ張っていくのとは違う。
むしろ逆なのです。
でも、そんなでも、生徒さんや、親御さんの顔色みてご機嫌を伺って…というようなことは、教師のするべきことではないと思っています。
私は全然厳しい先生じゃないし、いんやぁ~~もっと厳しく、ビシッ!とやるべきなのでは…と考えたことも何度もありました。
それは、Takの保育園で、和太古の指導にいらしていた先生のレッスンを見学させていただいたとき、あまりの厳しさに驚いて、それでもついていく生徒たちにも感動して、ずず~~ん…と、音楽指導者として、真剣に考え込んだことだったのです。
そして、その結論として。
私には、自分の性格からして、「表面的にガンガン厳しい指導はできない」
でも、たとえ幼児でも、ひとりひとりの生徒さんとの1対1の(師弟関係ではなく)人間関係の中で、私が大切だと思っている、音楽の「厳しさ」の部分をいろんなかたちで伝えることができると思う。
褒めることは簡単。
褒めることは、生徒さんに自信や、意欲や、続ける気持ちを持ってもらう最善、最短、そして、講師にとっても最も楽チンな方法。
全国展開をしている音楽教室や、英語教室などは、「楽しみながら身につく」といって、それだけでやっているところはたくさんある。
しかし、「芸ごと」に「厳しさ」の面は絶対にあるのです。
ふぅ…。
長くなってしまいましたが、幼児や子供のレッスンについて考えるとき、いつも最後に思うのは、
「わが子に対しては、どうしてコレができないのだろうか」ということなのです(^_^;)
他人のお子さんが私のところに来て、次々にピアノが弾けるようになっていっているというのに…
そして、ジュースをこぼしたり、テーブルを汚しても、「あー、今拭くから大丈夫だよ」と、めっちゃ冷静でいられる私。
わが子だとガミガミになってしまうのに、なんだ、この違いは!!
…と、これはまあ、「親子の問題」でありますので、別の話なのですけどね、、、
長い間お付き合いいただきありがとうございました。
一応、レッスンについての特集?は、これにて締めさせていただきますが、
ホントは、私、毎回のレッスンで思うこと、感じたこと、いっぱいあって、際限なくいくらでも書ける。
でも、生徒さんの個人情報でもありますので、私が実名を公開して書いている以上、
生徒さんを「仮名」にしても、リアルタイムの日記はかけません。
また、別の機会に、まとめて、お話しできたらいいなあ…と思います(*^_^*)