5/30 NAYA-NANYAにいってきた。
朝の8時ごろ、書家の池田秋濤先生からTELがありました。
「うわぁ~~センセ、お久しぶり~~♪♪ 携帯鳴って開けてみたらセンセの名前が出てきたらうれしいわ~~♪♪♪」
でっ、なんでこんなに朝早くTELがあり、主旨はなんだったのかわからないまま、いきなりお互い近況報告会が始まり、
私はTakの楽器購入のこと、秋濤センセは、近々ギャラリーで被災地の方がたの心の声を書にして、「メッセージ展」を催されるとのお話etc.
先生は、「やすらかに」湯のみをお作りになり、ご遺族の方に届けるという活動をされています。
素焼きのオリジナル湯のみに先生が「やすらかに」の文字を1個1個書き添えて、砥部焼きで仕上げたものです。
3月末には、ご自身で被災地を訪れ、東松島市の仮設住宅の集会所に一晩宿泊して、集まって下さった居住者の方がたの、それぞれ思い思いの言葉をその場で色紙に書いて差し上げたとのこと。
2日間で百数十枚。「やすらかに」湯のみとともに差し上げて来られたそうです。
また今回、先生のギャラリーで催されるのは、仮設住宅に訪れたボランティアの方などへ向けて
チャリティーとして売られている「栞」や、「千代紙人形」などの中に同梱されている被災者の方がたのメッセージ…心の叫びを、先生が書にされたものの展示だそうです。
「がれきと一言で片付けないで 昨日までは自慢の家」
「いつものつもりで4人分作った夕食 2人分食べる息子がいてよかった」
朝の電話で、先生は…それらを展示してみた、ところが、額が邪魔だったり、
色紙の金縁が邪魔だったりする。
いろいろ考えながら並べてみた…とおっしゃるので、そりゃ~今すぐ見にいきたい!!と思いました。
ホントは、Takも一緒に連れていきたいと思ったけど、とにかく、まあそれは後日ってことで、早速見にいきたい!!
ちゃっちゃとお昼を済ませて、駆けつけたところ、先生は接客中だっだのですが、
その間に、じっくりとギャラリーの展示を見てまわりました。
NAYA-NANYAの玄関
先生のギャラリーは「NAYA-NANYA」
そぉ…納屋なんや。
このような被災者の方たちのメッセージを床に座ってじっくりと向き合い、味わい、受け取るには、こんな相応しい場所はほかに思いつきません。
私はたちまち涙が溢れました。
ここに展示されている「ことば」のひとこと、ひとことが、津波になって、その津波の先端の飛沫のところからどどどど…っと、襲い掛かって、
こころの奥底までなだれ込んで、奪い去っていく…みたいな、本当にそんな感じ。
これは、被災者の方たちの声であって、先生の作品でもあって…
先生が「書」にすることによって、よりリアリティーをもって迫り来るメッセージとなっているように感じる。
こういうかたちの「アート」もあるのか。
先生は、「自分の役目はメッセンジャー」とおっしゃり、すべての書に作品として落款をされていません。
ここに並べられた先生の書に、全部ハンコが押されていたら、この「メッセージ展」は、全く主旨の違ったものになるのだと思います。
Takにお習字のお手本を黒い墨で書いて下さるときでさえ(ふつーは朱のお手本)絶対に署名押印をされる、
書家とはそのように、自分の作品に責任を持つものなのだろうなと私は感じてきました。
この「メッセージ展」を通して、「被災地に直接赴くことができない人たちに、被災者の方のことばに触れて、味わってほしい。」と先生はおっしゃっていました。
私自身も、ここにいてただ祈ることしかできないけれど…
報道の映像よりも、記事よりも、「メッセンジャー」秋濤先生を介した被災地の方たちの思いは、とても苦しく辛く切なかったです。
7月開催をメドに準備を進められているとのことでした。
その折には、展示されるメッセージを小冊子にまとめて販売し、収益を被災地への義捐金として届けるとのことです。
また、具体的になりましたら、当ブログでもご案内させていただきます。