灯台下暗し?
ショパンは4曲の《バラード》を書いています。
「バラード」とは、古来からヨーロッパに伝わる「詩」の形だそうですが、
それを、音楽作品として世に出したのは、
ポーランドの一青年、今年生誕200年を迎えて世界中で騒がれているピアノの詩人、
F.ショパンが初めてなのだそうです。
ショパンの《バラード》というと、
ピアノ弾きの人々にとっては、あまりに身近な存在・・・
あらため . . . 本文を読む
20歳の頃にショパンが姉ルドヴィカに宛てて書いた
《Con grand espressione(ノクターン第20番)》が
祖国を去る、この若者の覚悟・決意・予感をしたためたものであろうことを
前回の記事に記しました。
http://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa/e/63bb813893f0840ceefc858af5169f7f
そして、
晩年のショパン35歳 . . . 本文を読む
ショパン20歳の頃の作曲
《Con grand espressione(ノクターン第20番)》
人々の心揺るがす、若きショパンの名作のひとつです。
この曲には、
若きにして、故郷を生涯去ることとなったショパンの
祖国ポーランドへの想いが切々と現されているようです・・・
聴く者の・弾く者の心を締め付けるような
切ない音楽・・・
吹き荒ぶポーランドの冷たい風は
四回に渡って、この曲の終結部Co . . . 本文を読む
ショパン青年期の「山」といってよい作品だと思います
《バラード 第1番 op.23》
には、ショパンの「無念」の思いが
反映されているように思われました・・・
遠い祖国を思い、嘆き、希望を胸に抱き!でも・・・最後には、悲劇の英雄の死が告げられる・・・
断末魔の叫びとともに!!!!・・・
♪ . . . 本文を読む
2005年ワルシャワのショパン・コンクールで優勝を飾ったラファウ・ブレハッチ氏、
私の記憶が確かならば、
彼は出場者の中で、ただ一人、
第二ステージの課題である《マズルカ》の中から、
《op.56》という、
後期ショパンの
高貴で難解で、そして天国的な曲集を演奏していたはずです。
全コンテスタントの内、彼ただ一人。
ショパン・コンクールの優勝者として遜色ない、実に見事!!
と、ふ . . . 本文を読む
「肺結核」
という病気・・・
21世紀となった今日においては
もう身近なものではなくなり、
「結核菌は実験室の試験管の中にしか今日存在しない」
という中途半端な常識を持っていたのですが・・・
最近の報道では、
お笑い芸能人の方がお一人、
肺結核で入院されるというニュースが
流れているようです・・・
そんなニュースに続いて、先ほどテレビを見ていたら
医療機関と思われるコマーシャルが続いて、
「 . . . 本文を読む
先日の記事には、
ショパン《ピアノソナタ第2番 変ロ短調 op.35》の
第3楽章《葬送行進曲》について
なんだか長い(・・・無駄に?)記事を書いてしまいましたが、
それにちょっと引き続き、
あの、
不可思議な第4楽章「Presto」について
ちょっと考えてみたいと思います。
ショパン自身がこの作品《ソナタop.35》について
言及している文章を今一度見直してみますと・・・
ーーーーーーー . . . 本文を読む
先ほど、
ショパン作曲《ピアノソナタ第2番 変ロ短調 op.35》の第3楽章、
《葬送行進曲》を練習していました。
《葬送行進曲》は、
ショパンの作品の中でも、最も有名な曲のひとつ
といえるのではないでしょうか。いや、
もしかすると、
この《葬送行進曲》が「ショパンによる作曲」と知っている人は、
一般的には案外少なかったりするのかも!?しれませんが、
いずれにしろ、
このメロディーをどこかしら知 . . . 本文を読む
前回から、「トリル(tr.)」の演奏方法について
トリルの始まりを「上から」弾くのか「下から」弾くのか、
作曲家それぞれのケース・バイ・ケースで考察中ですが、
さて、
今度はショパンの場合を見てみたいと思います。
ショパンは、19世紀のロマン派を駆け抜けた
「ピアノ弾きの、ピアノ弾きによる、ピアノ弾きのための音楽」
を多々書き残してくれた偉大な作曲家ですが、
彼の作品の一つを垣間見てみましょう . . . 本文を読む
前回の記事に書きました、
《ポロネーズ ハ短調 op.40-2》は
曲の冒頭の不気味な静けさとは裏腹に、
予想外を裏切る終わりを告げます。
・・・柔らかな雰囲気の中間部では、
ショパンの祖国ポーランドを思い起こさせる
《マズルカ》のようにも聞こえるリズムが時折、
遠くから鳴り渡ってくるかのようです。
しかし、最後に待っているのは・・
不穏な空気に伴われて音量を増し(cresc.)、 . . . 本文を読む
●フレデリック・ショパン作曲《ポロネーズ ハ短調 op.40-2》
数あるショパンのピアノ作品の中でも、なんともいえぬ
異色な雰囲気、不気味な音楽のこの曲。
前回の記事、リサイタルのプログラム・ノートにご紹介いたしました
ショパン自身の手による文章「シュトゥットガルトの手記」は
私自身、
初めて読んだときにはショッキングなものでした・・・
いや、今読み返しても心に重 . . . 本文を読む
「終わり」から始まる音楽
変な音楽ですよね。
普通なら、
「さぁ、これから始まるぞ~~~」
などといって、わくわくドキドキするような序奏があったり、
あるいは、
冒頭からいきなり主旋律が流れ出して、
聴く人の心をその曲の世界へとがっちりと誘わん、
そんなパターンが普通、といえましょうか。
ところが、
そうでない珍しい音楽の始まりを告げる曲がここにあります。
●ショパン《ノクターン第16 . . . 本文を読む
ピアノの詩人ショパンの
《ノクターン第13番 op.48-1 c-mollハ短調》
を思い浮かべながら、ふと思い出したのでした。
あぁ、
ショパンのため息。
楽譜に記される右手の指使い
「3 3 3」
はショパンによるものであることは、
この数字が「斜め字」になって記載されていることから分かります。
(Ekier版Wiener Urtext)
ショパン自身が、
そう演奏することを望 . . . 本文を読む
「ピアノの詩人」と呼ばれるショパンの
《ノクターン(夜想曲)》というジャンルは、
この作曲家の詩人たる特性を
存分に発揮している音楽といえましょう。
作品番号のついたノクターンは全部で18曲あり、
今日演奏されます《第17番》は、
同じ作品番号62-2とともに書かれた彼の晩年の作品です。
音楽的な成熟もさることながら、晩年のショパンは
ジョルジュ・サンドとの関係の疲弊、
健康状態の悪化などか . . . 本文を読む
プレイエルという楽器に触れてみた印象、
具体的には、
●うるさくないダイナミックス・レンジ
下手をすると、「ffが足りない」と思われてしまうかもしれない
音量の幅は、そうした音量の拡大という方向性を求めていない
ひとつのピアノという楽器における美学であると
捉えることができるのではないでしょうか。
プレイエルでショパンの「ff」を弾いてみる・・・
ちょうど良い。心地よい、うるさすぎない!!
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