ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

オッソーイラティ

2007年01月19日 | 食べ物


オッソーイラティと、一般的には今ひとつぴんとこな
いこの名前は、羊のチーズの名前だ。
ハードタイプの羊チーズとしては、イタリア辺りのペ
コリーノなんかの方がよりポピュラーだと思うが、好
きなのは断然フランス物のこちらの方だ(ペコリーノ
はどうもしょっぱ過ぎて駄目だ)。
イタリア物に関しては、他にももいくつかトライして
みたが、やはり好みとしてはフランス物に落ち着く。
同じく、スペイン物やオーストラリア物もやってみた
が、結果は同じだった。

で、このオッソーイラティだが、今回お土産で貰った
ものだ(最近こんなのばかりだ、たまには自分で買え
ということは重々承知です)。
こちらの好みを知っていて買ってきてくれたので、当
然のこと嬉しいお土産ということになる。
一応、山羊か羊の、フレッシュではないもの(熟成した
もの)、ということが好みとして行き渡っているのだ。
この辺は、はっきりしていた方が買うほうも判り易い
のではないかと、周知徹底させた結果だと、一人納得
している。

しかし、フランスの羊のハードタイプは他にもいくつ
かあるが、その中でも特にこのオッソーイラティがお
気に入りであると言うわけではない。
アベイドベロックでも良いし、プティバスクでも良い
し、どれも美味しい。
ポイントは、熟成しているかと言う一点だ。
好みとしては、古漬けのような香りがするくらいの状
態のもの。
チーズそのものもやや硬くなった頃、良い香りが仄か
にしてくる。
旨味も増し、味も複雑になり、正に食べごろとなる。
人によってはこの状態を、「駄目になった」と表現す
るが、とんでもない。
実際は、その逆だ。

チーズに限らず日本の漬物でも、今は、この熟成に関
しては省みられなくなりつつある。
サラダ感覚の浅漬け流行りで、熟成の旨味が判らなく
なってしまったのではないかと危惧するくらいだ。
例えば、千枚漬けひとつみても、昔は塩だけで味付け
だったが、今はいやに甘く、そもそも熟成すら考えて
ないようなものが多いし、キムチなんかも、酸っぱく
なった頃が旨いと思うのだが、キムチ味のサラダのよ
うなものが一般的だ。
こんなことで良いのか、と一人思ったところで、これ
が全体の好みの反映ということを考えると、所謂本物
の味も、今や「絶滅危惧種」の仲間入りか、と思わざ
る得ない昨今の状況である。
コメント