ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

アルトマン

2007年01月27日 | 映画


ロバート.アルトマン追悼をかねて「マッシュ」を見
返したが、今見てもやはり良かった。
シャワーシーンしか覚えてなく、日本なんて登場した
か?と言うくらいの、実にあやふやな記憶しかなく、
一体「マッシュ」のどこが面白かったのか全く覚えて
ないというひどい状態なのだが、良いものは良いと、今
回も再認識した。
なんせ、舞台をベトナム戦争と(実際は朝鮮戦争)間
違えていたくらいだから。

そんな流れで棚を物色していると、まだ見たこと無い
(この時点では)アルトマンがあった。
「ゴスフォード.パーク」がそれ。
早速借りることにした。
微かに記憶にはあった、この作品名は。
お特異の群像劇で、殺人事件が起こるような、確かそ
んなもののような(とこの時点では情報として知って
いると思っていた)。
DVDを挿入。
うん?どこかで見たことあるような。
イギリスが舞台。
女主人と召使が、車で貴族の館に向かう。
何かのパーティーがある。
ここで気付いた。
見たぞこれは。
まあ、ありがちなことだ。
特に最近は。
と、自分に言い聞かせ、どうしようかと思案。
ここで今回の趣旨を思い出した、追悼だ。
ということで、そのまま見ることにした。

しかし、覚えてないものだ(Deja Vuのような書き出し
が再び。要するに、全般的に良く忘れるのが最近の傾
向なのだ)。
登場人物は、屋敷(ある貴族の)に集まった館の主人
とその招待客、そしてそれぞれのお付、総勢50人く
らい(もっと多いかもしれない)の人間で、それぞれ
の人間関係が複雑に絡み合って錯綜する。
90パーセント以上(100パーセントに近い)は館
が舞台。
つまり、館内での話が全てだと言っても良い。
他のアルトマン作品では「ウェディング」がこれに近
いか。
しかし、人間関係の複雑さにおいては、こちらの方が
より凄い。
最後の最後まで、名前と顔が一致しなかった。
と言うと、わけが解らなくなるような印象を受けるが。
確かに最初は名前を追ってるだけで一杯になるが、そ
れをやると意識がそこに行き全体が見えなくなる。
もうその辺は適当で良い。
なすべきことは、画面に集中することだ。
レンブラントのような色調の画面だけでも、充分魅力
的だ。
良くしたもので、最後には大体の人間関係も理解でき
るし、終わったあとの印象も、心地よい疲労感に変わ
る。
これだけのことで、最後まで見せるアルトマンという
監督も、とふたたび感心する。
もう、群像劇でここまで描ける監督は出ないだろう。

こうして「アルトマン」追悼は、無事に終了したのだっ
た。
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