欠員補充のコンサートは、「ウィーン交響楽団ヨハン.
シュトラウスアンサンブル」の、一応ニューイヤーコン
サートと銘打ったものだった。
ウィーンフィルのメンバーで構成された12人のアン
サンブルで、主にヨハン.シュトラウスを演奏するわ
けだが、ヨハン.シュトラウスの音楽は、これ以前積
極的(能動的)に聴いたことはなかった。
思い出すのはワルツ。
今回も、案の定ワルツ主体で、楽しげな音楽が、演奏
者の演技(小芝居と言えば小芝居)も加わって、観客
を巻き込みつつ展開していく。
親しみやすさを狙った演出は(オペレッタもあり)、
充分成功していた。
個人的には、これだけ具体的な情景を思わせる音楽も
ないと感じた。
例えば「デビュタント」(で良かったか)の風景。
或いは、工場かなんかで従業員が楽しげに労働してい
る姿。
そして、アルプスの草原を、俯瞰しながら流れる映像
(NHKの名曲アルバムのイメージかサウンドオブミ
ュージック)のようなもの。
それだけ、この手の音楽が日常的に使われていて、知
らず知らずの内に耳(目)にしているからなのだろう
か。
類型を喚起する音楽。
しかし、好みか?と問われれば、「違う」と答える。
思うに、共通して、調子の良い音楽はそれ程好きでは
ないようなのだ。
大分好みが偏っているとは思うが、だんだんそれがは
っきりしてきた。
あと、ロマンチストでない故か、ロマン派と言われる
音楽も駄目だ。
というより、好きなのはバロック(調子の良いのもあ
るから前言と矛盾するが、その辺は???で)と現代
音楽と言い切ったほうが解り易い。
その中間のクラシックに関しては、よく知らないとい
うか、今のところひっかかるものがあまりない。
唯一マーラーの交響曲は好きだった、と言えるぐらい
だ。
まるでキセルのような偏愛だ。
それで同日、T君のカフェで「Curved Air」(プロ
グレ)のライヴビデオを見たりしているのだから、なん
とも脈絡のない「音楽の一日」だったと言うしかない。