大して積もらないと思った雪も、日本全国猛威を振る
った低気圧のせいで、そこそこ積もってしまった。
20センチほどか。
降るのは良いが、後の雪掻きとか考えると、今の状態
だとなおさら気が重くなる。
この程度でこうなのだから、本格的降雪地帯の人の苦
労は、想像を絶するレベルだということだ。
と同時に、暖かい地方に対する憧憬を抱く瞬間でもあ
る。
ゴーギャンがタヒチに抱いたように。
実際ゴーギャンが抱いたのは、もっと天国のような幻
想に近いものだったので、現実的に幻想が崩れたとき
のショックも大きかったことと思われる(以前読んだ
「ノアノア」というゴーギャンの本では、それほどそ
の点には触れてなかったと思うが、実際は幸福に生涯
を終えたわけでも無さそうなので)。
理想郷などどこにも存在しない現実を目の当たりにす
るのは、情報のない当時としては止むを得ないことだ。
幻想を抱くには、正確な情報が少ないほどいい。
そんな当時と比べられないほど細かな情報を得られる
今でも、ついつい人間は「楽園」を夢見てしまい、そ
の違いにその都度呆然落胆する。
そんなことの繰り返しだ。
結局、「見たい」「あると思いたい」という欲求が常
にあるからということなのだろう。
そんな「楽園」願望ではなく、単純に「暖かいところ」
が良いというのは、むしろ肉体的快楽への欲求だ。
心地よい気候(時に度を越えるが)。
それだけのことだ。
で、真っ先に思いつくのは「バリ」なのだが、知り合
いが今年、いよいよ長期の滞在で行くことになったら
しい。
知り合いといっても、歳が80近い「お爺さん」とい
う年齢の人だが、この辺では珍しく、一人でバリや他
の東南アジアにも普通に行ける人で、現地に知り合い
も多く、そういう暮らしにはうってつけの人だ。
特にバリに関しては、現地の人から自分用の家まで作
ってもらってるくらいで、なんら不安がない。
現地に溶け込み、ひょっとしたら日本人と気付かない
位になると思う。
バリの生活の基盤は、「バリヒンドゥー」だから、決
められた儀式によって日々を過ごすのが基本だ。
生活様式が自己目的化していると、より不安なく暮ら
せるという良い見本かもしれない。
と言っても、近代社会から相対的に見ての話で、実際
のバリは、「市場経済」の波でどんどん変化している。
つまり、「昔は良かった」感が加速していると言うこ
とだ。
そんな神秘的な部分を拡大すると、またまた幻想が広
がるが、単純に「物価が安い」(観光用ではないとこ
ろでは)「暖かい」(同時に蒸し暑い)「人々が穏や
か」(しかし街は汚く野良犬だらけ)を見るなら、充
分心地良いとは言えるのだ。
った低気圧のせいで、そこそこ積もってしまった。
20センチほどか。
降るのは良いが、後の雪掻きとか考えると、今の状態
だとなおさら気が重くなる。
この程度でこうなのだから、本格的降雪地帯の人の苦
労は、想像を絶するレベルだということだ。
と同時に、暖かい地方に対する憧憬を抱く瞬間でもあ
る。
ゴーギャンがタヒチに抱いたように。
実際ゴーギャンが抱いたのは、もっと天国のような幻
想に近いものだったので、現実的に幻想が崩れたとき
のショックも大きかったことと思われる(以前読んだ
「ノアノア」というゴーギャンの本では、それほどそ
の点には触れてなかったと思うが、実際は幸福に生涯
を終えたわけでも無さそうなので)。
理想郷などどこにも存在しない現実を目の当たりにす
るのは、情報のない当時としては止むを得ないことだ。
幻想を抱くには、正確な情報が少ないほどいい。
そんな当時と比べられないほど細かな情報を得られる
今でも、ついつい人間は「楽園」を夢見てしまい、そ
の違いにその都度呆然落胆する。
そんなことの繰り返しだ。
結局、「見たい」「あると思いたい」という欲求が常
にあるからということなのだろう。
そんな「楽園」願望ではなく、単純に「暖かいところ」
が良いというのは、むしろ肉体的快楽への欲求だ。
心地よい気候(時に度を越えるが)。
それだけのことだ。
で、真っ先に思いつくのは「バリ」なのだが、知り合
いが今年、いよいよ長期の滞在で行くことになったら
しい。
知り合いといっても、歳が80近い「お爺さん」とい
う年齢の人だが、この辺では珍しく、一人でバリや他
の東南アジアにも普通に行ける人で、現地に知り合い
も多く、そういう暮らしにはうってつけの人だ。
特にバリに関しては、現地の人から自分用の家まで作
ってもらってるくらいで、なんら不安がない。
現地に溶け込み、ひょっとしたら日本人と気付かない
位になると思う。
バリの生活の基盤は、「バリヒンドゥー」だから、決
められた儀式によって日々を過ごすのが基本だ。
生活様式が自己目的化していると、より不安なく暮ら
せるという良い見本かもしれない。
と言っても、近代社会から相対的に見ての話で、実際
のバリは、「市場経済」の波でどんどん変化している。
つまり、「昔は良かった」感が加速していると言うこ
とだ。
そんな神秘的な部分を拡大すると、またまた幻想が広
がるが、単純に「物価が安い」(観光用ではないとこ
ろでは)「暖かい」(同時に蒸し暑い)「人々が穏や
か」(しかし街は汚く野良犬だらけ)を見るなら、充
分心地良いとは言えるのだ。