ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

BGC

2008年12月04日 | 映画

「上川」に水鳥を見に行く。
「コハクチョウ」は二羽ほど、あとはカモ類だが、ま
だ種類は多くない。
特別水鳥が好きなわけではないが、この時期生き物は、
どうしても鳥ぐらいしかいないので。

今年は、どこの地域でもやっている餌付けが、ちょっ
と問題視されている。
「鳥インフルエンザ」の感染の危険性があるというこ
となのだが、個人的にはそれがなくても餌付けに関し
ては否定的だ。
それより、鳥達が普通に餌を取れる良い環境を保つこ
とのほうが重要だと思う。
餌をやりたくなる気持ちは分かるが、自然の動物は、
なるべく自然環境で、というのが基本であると思うの
だ。
動物園ではないのだから。
餌付けは、主従関係である。

そんなことを考えながら、T君の所にビデオを持っ
て行った(上川は途中にある)。
どういうビデオかというと、「BGC」(back ground 
cinema)に最適なもの。
店でかけていても、BGM代わりになる映像ということ
で選んだのだ。
それは「人でなしの女」と「眠るパリ.幕間」である。
どちらもフランスもので、白黒の無声映画。
「人でなしの女」は、フェルナン.レジェが、セット
美術を担当していてそこが見所。
映画自体はどうということはないのだが、映像は当時
の芸術様式が垣間見られて、興味深い。
「レジェ」を見るための映画である。
もう一つの「眠るパリ.幕間」は、それぞれ違う映画
なのだが(監督はどちらもルネ.クレール)、特に「幕
間」が面白い。
どう面白いかというと、ピカビア(本物の)、マンレイ、
サティーなど、当時の中心的芸術家が出演し、作品作
りにも関わって(特にピカビアが)好き放題やってい
るといった感じなのだ。
これも、映画としては、同じような芸術家(これはダリ)
が関わっている「アンダルシアの犬」と比較すれば、「ア
ンダルシアの犬」の方がいいとは思うが、この「幕間」
はいろんな意味で興味深いのだ。
生きた「サティー」を見るなどということは、なかな
かないと思う。

と、どちらもじっくり見なくても問題ないという点で
「BGC」には最適であったのだ。
そしてついでにもう一本、「アンゲロプロス」も持っ
て行った。
こちらは「シテール島への船出」「蜂の旅人」の二本
が入っている。
一般的にアンゲロプロスは、じっくり観ないと良さは
解らないのだが、ここは敢えて、映像のみの美しさで
BGCに選定した。
「ピカビア」のあとに「レンブラント」、という感覚
である。
この感覚、解ってくれるかどうか。
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