ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】新・代表的日本人

2007年04月26日 20時12分06秒 | 読書記録2007
新・代表的日本人, (編著)佐高信, 小学館文庫 さ-6-1, 1999年
・題名を見てお分かりのとおり、前出『代表的日本人』のパクリ。佐高信が選んだのは以下の10名([]内は執筆者)。
1.伊庭貞剛(実業家)[中野好夫]
2.出口王仁三郎(宗教家)[大宅壮一]
3.幸徳秋水(社会主義者)[飛鳥井雅道]
4.松永安左エ門(電気事業経営者)[草柳大蔵]
5.与謝野晶子(歌人)[馬場あき子]
6.石橋湛山(ジャーナリスト・政治家)[佐高信]
7.尾崎放哉(俳人)[上野千鶴子]
8.嵐寛寿郎(映画俳優)[竹中労]
9.本田宗一郎(技術者・実業家)[梶山季之]
10.佐橋滋(通産官僚)[城山三郎]
・"アンソロジー"と呼べば聞こえはいいが、実際には書き下ろしは一本もない過去の文章の寄せ集め。「つまらない」とまでは言いませんが、100年経って今なお読み継がれる本とは比ぶべくも無く。「へ~え、こんな人がいたんだ~」と軽い暇つぶし程度にはいいかもしれません。
・「なんといっても燦然と光っているのは、「進歩発達に最も害をするものは、青年の過失ではなくて、老人の跋扈である」とする一行であろう。」p.25
・「なるほど、それだけのスピードが出れば、百二十巻ぐらいはなんでもないわけだ。毎月八十余の雑誌に寄稿し、四百ページの長篇を三日で書く。これをきいたら、さすがの谷譲次、牧逸馬、林不忘の三位一体のジャーナリズムの神長谷川海太郎も、さぞ眼を白黒させて、ジュピターの前へ出た群神のように光を失ってしまうであろう。」p.47
・「現代の青年にこのような海外雄飛の夢がなくなったのは、日本があまりに棲みよいためか、人物の器が小さくなったためか、そのいずれかであろう。」p.116
・「罪おほき男こらせと肌きよく黒髪ながくつくられし我れ(『みだれ髪』)」p.154 いくつか抜粋されていた中のお気に入りの一句。
・「否、古来の皮相なる観察者によって、無欲を説けりと誤解せられた幾多の大思想家も実は決して無欲を説いたのではない。彼らはただ大欲を説いたのだ、大欲を満すがために、小欲を棄てよと教えたのだ。」p.179
・「一生に、二生も三生も生きるための仕掛けが日本にはいくつもある。改名や雅号、法名や俳号を名乗るというのも、変身と転身の仕掛けである。日本の人々は、アイデンティティ(自我同一性)などというものに呪縛されてこなかった。」p.198
・「きょう限界まで力を出すと明日には1.1、その翌日には1.2になるんですよ。(佐橋)」p.302
・「私は人間がつくった社会というのは、人間が変えられるという哲学を持っとるんです。(佐橋)」p.308

?いあく【帷幄】 1 帷と幄。たれまく(とばり)と、ひきまく(あげばり)。  2 (昔、陣営にたれまくとひきまくをめぐらしたところから)作戦計画を立てる所。本営。本陣。
?しょくもく【属目・嘱目・矚目】 1 目にふれること。また、ある物に目を向けること。  2 俳諧で、即興的に目に触れたものを吟じること。「嘱目の吟」  3 その人が将来どのように発展するか期待して見守ること。「将来を属目される」
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