魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

不思議な言葉

2006年04月20日 | ワイン ~2019年
先日書いた言葉に「美学」ってのを登場させてしまいました。
ちょっと気になったので、今日はちょっと興味あるお話をしてみます。

ワインを語る上でよく使われるキーワードがあります。

「フィネス」

なんじゃそりゃ?と思う方も多いでしょう。
ワインの持つ「美しさ」、「印象の素晴らしさ」、等のベクトルをもっと延長してみて、
その先にある一種の「美学」みたいなものを指す言葉が「フィネス」と、
一般的には解釈され、また使われています・・・・・・・・・・
が、実のところこの言葉の定義はとても曖昧で、誰も本当の意味を
説明できません。そう、「主観」の問題だからです。

この言葉を使われるともう何も太刀打ちできません。
偉そうな専門家も、権威的なウザイ蘊蓄も黙らせることができたりします。

例えば、せっかく自分が美味しく、気持ちよく飲んでいるワインを、誰かが蘊蓄を
垂れながら低い評価を下し、文句を言ったとしましょう。そこでひとこと。

「でも私にはフィネスを感じますよ」

それで十分です。もう反撃は出来ません。
「フィネス」という言葉を使った以上、ワインにとても詳しいと見なされるでしょうし、
数々の超高級ワインの体験もきっとお持ちの方だと判断されます。
その状況で、それでも反論したら、同席者の目の前で私の味覚や好みを否定した
ことになります。誰もそこまで言える勇気は持ち合わせていないのです。
言ったもん勝ちです。

実は他にもワインの世界には不思議な言葉や呪文?はあるのですが、それはまた後ほど。

えっ、こんな話じゃフィネスがないですか?
こりゃまた失礼しました。

ワインのフィネスより、人生のフィネスを目指して生きていくことが大切ですね。
コメント
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