魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

意識の違い

2009年08月13日 | Weblog
今日は真面目にいきますよ。


一昨日前にこんな記事がありました。


福山「長崎被爆2世」明かす(クリック)



この時期になると戦争や原爆の話が出ますね。
この場で誤解なきように書いておきます。


被爆のおはなしですが、長崎、広島人とそうでない人との
意識格差が「これほどでかいか!」という事実を、60年以上
経った今ですら受けています。



私は長崎市民で、祖父母、父も同じです。
原爆が落ち、敗戦した1945年、私は生まれてもいません。


当時、父は中学生でしたが、爆心地から4、5キロほど離れた場所
(現住所と近い大浦地区です)で、ピカッ!!! ゴゴゴ!!!と
なって、慌てて防空壕へ駆け込みました。


怖くて被爆地にも行っていませんし、見てもいなかったようです。
その後終戦、米兵が来ることを恐れ、長崎からも疎開したのです。


その後、学生だった父は大人になり、十数年経ち、母と出会い結婚。
数年後、私が生まれ、そして健康に育ちました。
何の障害も病気もなくましてや遺伝子異常もありません。
(まあ、バカで頭は悪いですけど)


長崎や広島では、親兄弟が被爆した人は多いです。
何十万人といて、その子供となると数百万人規模です。
三世に至っては・・・どこにでもいますね。
その辺で石を投げれば当たります。



被爆二世や三世って、そんなもんです。



こんな私よりも遥かに優秀で、いろんな専門分野で活躍されたり、
企業の中核となって、才能も発揮されて日本を支えていらっしゃる
方もたくさんいます。だって通常範囲の人材、DNAです。


しかし、どうやらおおざっぱに、一般的に言って、他県の方には

誤解がはびこっているようです。


被爆者自身と被爆二世、三世の区別が分からないようだし、「被爆」
という言葉がつくと、病気が発症したり、障害があったりする人だと
「勘違いしている」節があるようです。


平均寿命も変わらないし、ガンになる確率も、奇形などの確率も通常
範囲で、統計的に特異性はないでしょう。だって体が違うので放射能
だって体内に元からありませんから。


直接の被爆者ですら、被爆した距離や病気の程度もそれぞれで、
とても酷い方から、ほとんど何ともない方まで様々なんですよ。



先日初めて「被爆二世検診」という名の健康診断を無料で受けましたが、
それだけです。40歳以上の誰もが無料で受けられるメタボ検診と
何ら変わりない程度です。

医療費も全く普通にかかりますし、恩恵は何もありません。
(被爆者自身だったら医療費は無料で受けられますが、いかんせん
もう年寄りばかりです)


逆に他県で「言われなき無知なる差別を受ける」というだけです。


もしかしたら他県に落ちたかもしれない、「あなたが、あなたの親が
被爆したかもしれない?」という身代わりの上に今日の平和や人生が
あるはずのに、たまたま原爆を落とされ、苦しめられた被爆者や、
その子孫に至る人達までをも差別する人がいるのは事実です。


まあ、恥ずかしくて無知なんでしょう・・・けどね。



そうやって毎年夏が来るたびに、
8月6日、9日、そして15日がやってくるたびに、

むしかえされ、憐みを受けながらも差別され続けているという
そんな夏が今年も来ています。

当然、核廃絶は心からの願いです。


万が一、億が一、核攻撃を受けてからの、報復の核発射ボタンも
(あったとしてのはなしですが)押す勇気はありません。

それは本当の苦しみを身近に感じられるからです。
無差別に、関係なく巻き込まれる犠牲者

もうひとりだって増やしたくはない思いからなのです。


コメント (4)
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