魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

いろんな輸入元

2013年05月11日 | ワイン ~2019年
今夜は少しだけ愚痴っぽいかもです。
このブログを初めて7年以上経ちますが、今まで書かなかったことを書きま
しょう。

こんなワインバカが商売をやっておりますといろんなお付き合いが発生します。
お客様の知らないところで、いろんな輸入元や卸問屋との商談があります。

ちょとだけばらしましょう。


とある輸入元さんはFax攻撃してきます。
うちは基本的に「飲んでから仕入れる」というのを徹底していますので、Faxや
メールでいくら紹介されても、その段階では発注しません。ですから電話して
その旨をお話してFax攻撃を止めていただいた経緯があります。


とある輸入元さんは電話攻勢が激しいです。
もちろん「飲まないと入れない」は徹底させますので、適当に受け流してしま
います。「右から来たものを左へ受け流す」の極意です。


とある輸入元さんは、良い造り手も取り扱っているし、欲しいアイテムもあるの
で、こちらから連絡して、試飲会でもしっかり試飲して「よし、いくぞ!」
と心に決め、コンタクトしてみると・・・・・、「各県で1店舗なのですみません」
などと言われることもあります。この場合、それなりに販売実績を残さないと
いけないので、特約店となってしまうと、逆に他の輸入元さんのワイン、
良い造り手のワインが十分に扱えなくなる「諸刃の剣」となってしまいます。


先日、とある輸入元さんに仕入れてみたいのでコンタクトを取ってみました。

すると・・・「このFax用紙に記入してください。」と言われました。
それを見てから判断いたしますとこのと。

要は月々の販売本数がどれくらいか?うちからどれくらい取ってもらえるのか?
を書かなくてはなりませんでした。(ぶっちゃけ、言葉は一応丁寧でもやらせて
いることはかなり高飛車なのです。


当店は業務用がメインではありませんので、「一般お客様ですから分かりませ
んし、少ないかもしれません。でも気に入った素晴らしい造り手の良いワイン
を良い状態でお届けしたいと思います」の旨を書いてFax返信したのですが、
数日経ちますが何も言ってこないので、きっと返信試験に落ちたのでしょう。
(心の中でぐっと我慢して、そんな気持ちそぶりも見せず返信しました。これで
ダメだったら仕方ないよね)

それならそれで、こちらも他を探すぞー!となるわけです。


まあ、それはそれは、いろんなパターンがあります。

どうかしたら輸入元が潰れる場合もありました。
何か反応がおかしいなあ・・・・・と思ったら数ヵ月後にはなくなっていたパ
ターンすら数軒ありました。


こちらが選んでいるようで、実は選ばれていたり、輸入元の手のひらで操られ
ていたりするのかもしれません。とても不思議なものです。


でもね、「縁」ってあるんですよ。
良い造り手を紹介してくれて、こちらの仕入れが少なくても文句も言わずに
良好な関係で長年お付き合いしていただける輸入元、そしてその担当の方。

やはりそんな良い環境の中からの優れたワインをご紹介していきたいなあ、
と心から思ったりするのです。

ただワインを愛する気持ちは強いので、ダメなものはダメで、素晴らしいもの
に出会った時は、ちゃんとお奨めしていきたいと常々思っており、その趣旨は
揺らぐことはありません。




さて、ちょとだけ愚痴を吐いてしまった今夜はこれ。






2010 Ch.ド・ファヨル ブラン
  (仏、ベルジュラック地区、SB種、千円程度)


色は淡白。香りは青い。青草、セルロイド、レモンやキンカン、カボス、ラ
イムなど。さわやかだ。

味わいは若くてさっぱりと切れのある柑橘系フルーツの酸味がフレッシュに
炸裂。果実味は厚みがなくシャープ。個人的にはもう少し厚みととろみ、
オイリーさが出た方が評価は上がる。このままでは弱い。

お手軽にさっぱりと飲みたい場合にはいいだろうけれど、ちょっと弱いなあ。
まあ、そんなわけで採用はありません。ごめんなさい。
でも次のヴィンテージに期待しましょう。


こうしてひとつづつ、決めていきます。毎日のようにセレクトをします。

でも分かってください。本意じゃありません。商売でお奨めする側の立場だか
らです。いちワインラヴァーとしてなら、私は最低かもしれません。
でも良いワインをおすすめしたい立場としては、こうせざるを得ないのです。

そんな、こんな店側からみた裏側のおはなし。

今まで書いたことはなかったけれど、これからもたまーにはお話しましょう。

結局「最後は人で決まる」これは揺るぎない事実です。

コメント
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